バーチャルな世界で生きるVtuberと現実世界のホームタウンを繋げるライブプロジェクト『Virtual Japan Circuit 』。
2021年4月24日、その名古屋公演に加賀美社長・社築さん・花畑チャイカさんの3名が出演しました。
事前に「えらいこっちゃ 」「ラブアンドピース 」「エモい 」「ちょっと意外な選曲 」と予告されていたセトリがマジでその通りだったので、ここに至るまでの3人の“文脈”を追ったりつらつら感想を書いていきます。オタクこういうの大好きだから。ここから更に興味を持ってほしいという気持ち。
但し私は潜在株主なので社さんチャイカさんの履修が甘いです。偏りがあるのはご了承ください。
なお当然の如く色々なネタバレを含んでいます。ただ文章では3人のパフォーマンスを表現しきれないと思ってるので許して頂きたい。MCパートは基本的に触れません。
可能な限り真っ新な気持ちで見て頂きたいので、チケット買おうかな?と思っている人は今すぐに買うんだ 。見られるのは4月30日20時までだぞ! 急げ!
また、冒頭無料配信もありますのでとりあえずどんな感じか見たいという方は以下をどうぞ。
全編見終わった方は社長の振り返り配信 も見ると「成程なー」という気持ちになれます。振り返りだけじゃなくカードゲームの話やゲームの話してます。寧ろそっちの比率の方が多いまである。いつものことだね。
VIDEO
1.加賀美ソロ『Not For You』
安心安定のトップバッターにして我らがエース。ライブの度に何か新しいことをやる男(前例1 、前例2 )、今回は「にじさんじ内カバー」というサプライズを持って来やがりました。
元は葛葉さん・叶さんによる人気ユニット「ChroNoiR」(クロノワール/通称クロノワ)のオリジナルソング。2019年3月発売の『SMASH The PAINT!! 』収録の楽曲です(試聴版 )。
2020年2月のZeppライブこと『にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow! 』福岡公演でもクロノワが歌い、当時社長が「ノリが良くコールもあってとてもライブに合っている楽曲」と称賛していました。
……そう、そういうこと言ってたんですよ社長。だもんで前説で「Not for me」ってワード出した瞬間に「まさかこの曲やる訳ないよな?」って一瞬頭を過ぎったんですよ。
そのまさかでした。
今回はオンラインイベントなので現地の声は無かったんですが、数分後に私は画面前で叫んでました。のっふぉーゆーのっふぉーゆーのっふぉーゆー!!
なお社長とクロノワ(特に葛葉さん)との縁は深く、クロノワfeat.社長という形でオリジナル曲『LET IT BURN 』を出したり、葛葉さんのオリジナル曲『クロウ 』の歌詞を2人で作ったりオフで遊戯王を楽しんだりと、「そりゃあお借りすることもできますわ」という間柄。
とは言え先輩ライバーの為に書き下ろされた曲を歌うというのはなかなかにハードルが高いことは想像でき、緊張するというのもよく分かります。
それでも得意のシャウトを織り交ぜたアレンジがキマってて本家もこっちも両方最高。超かっけぇ。
更に今回のライブ、全体を通してアップになるシーンが多いのですが、社長の顔にカメラが寄る度に「うわ綺麗……」と意識持ってかれます。「大口を開けてキリッとした顔で歌う」というのは2Dではあまり見られないので非常に良い。「睫毛長っ……」という乙女ゲーの主人公みたいな感想が勝手に出て来ます。前に比べてお色直ししたんですかね、イケメン度上がってる気がします。前髪から目元に落ちる影も印象的。
ただ暴れすぎる所為でたまにフレームに収まってないのと、逆に歌ってない時には相変わらず笑う時に口元を手で覆ったり足揃えてたりという可愛い&礼儀正しい所作の所為で「このギャップ魔がよ……」となります。治安の悪さと良さの反復横跳び。狡い。
2.社ソロ『金野火織の金色提言』
にじさんじが誇るオタクライバー・社築。これまでソロ歌の印象の薄い彼が提げて来たのは、文脈の塊のような楽曲でした。
界隈のあるあるとゲームプレイヤーの願いや祈りを詰め込んだこの楽曲は作曲者さん曰く「音ゲー賛美歌 」。
もうこの文章だけで界隈に詳しくない私でも泣きそうになるんですが、これを社さんが歌うという点で更に意味が付加されます。
社さんと言えば音ゲー、社さんと言えば弐寺(beatmania IIDX)。
これが定着したのは社さんの腕前は勿論のこと、約2年半ずっと弐寺を配信で続けてきたからでしょう。
「Vtuberが音ゲーをやる意味があるの?」という問いに対し3Dの姿で弐寺をプレイ、「音ゲープレイヤーの手元を筐体視点から映す 」という「Vtuberがやる意味」を持たせたこと。
プロプレイヤーと談笑しつつゲームをプレイ し、公式プロリーグ(プレ版)で監督を務め 、配信上で超難曲『音楽』のフルコン達成 したこと等々、長らくVtuberと音ゲーを繋いできました。
更に弐寺だけでなく『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』(プロセカ)と事前プロモーション から関わり、大会に出場したりド葛本社でプレイ したり(ガチャで爆死したり)と活動の幅を広げてきました。
その甲斐あってか遂にはNHK Eテレの『沼にハマって聞いてみた「音ゲー」 』回(2021年4月26日)に登場。これまでNHKに出演したライバーはいるものの、この方向性での起用はめちゃくちゃ驚きです。
こんな人だから当然この曲にドンピシャなのですが、音ゲーに限らない「ゲーマーとして」の部分も垣間見て泣く。
具体的には歌の途中、社さんがパンチするシーン。このモーション、アングルは違えどライブ前日に見た人も多いはず。
そう、にじさんじ公式番組『ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン 』です。
ゲーマーである社さんと、同じくゲーム大好き女子高生・笹木咲ちゃんがメインMCを務め、毎回2人のライバーを招いてゲームで遊ぶこの番組。
どこかほわほわした雰囲気のある咲ちゃんと大体フリーダムなゲストにしっかり者の社さんが巻き込まれ、ゲームでギャフンと言わされそうになるというのが大まかな筋書きですが、当然この企画、社さんがゲーム下手だと成立しません。
プレイするゲームによって多少の差はあるものの「何をやらせても概ね上手い(得意な物は当然上手い)」というのが社さんの凄いところ。その根っこにあるのは恐らく「ゲームが好きだから」。
金色提言では「ゲームができても何の役にも立たない」と歌われていますが、社さんは「ゲームができる」ということを仕事にした。(他のライバーさんにも言えることですが)
ゲームに沢山の時間を掛け、ゲームをやる姿を見せる為に時間を掛け(スタッフさんも実際とても凄い)、ゲームで心を動かされてきた姿を大勢に何度も何度も見せてきた人が歌う「ゲームが死ぬほど好きだから」「ゲームをやるため生きてます」「生きる希望が湧いてきます」「なんか知らんが心が動く あなたのそれは何ですか」はあまりにも重い。
全然曲は違うんですけど、初見時には社長の3Dお披露目でボルメテウス・ホワイト・ドラゴン先輩を背景に『決闘』を歌いながら「人生にはこういう瞬間もある」と高らかに示してみせたシーンを思い出しました。
ダブルスリーブ(社長と社さんのコンビ名)はすぐこういうことするんだ。「大人だって楽しいんだよ」「努力は叶うんだよ」と言葉で言うだけじゃなく行動を以って示してくる。マーベラス。
社長の振り返りでは「自分で決めたい」というフレーズがグッと来るとも言ってましたね。これはまさにそう。
大人というのは、というか子供であっても自分の行動に一定の責任を持たねばなりません。ゲームをするのかしないのか。何をするのかしないのか。誰の意見を聞き、誰の意見に耳を貸さないのか。
何者にも強制されること無く自分で決めるというのは「親に反対されることもやり通した」社長にとっては刺さったのかなと思います。
そして「ゲームは友達」。ここで過ぎるのは『キャプテン翼』の名台詞「ボールは友達」。
このタイトルも社さんが配信でやっているので飲み友(社さんのリスナーネーム)の皆様にはお馴染みですね。とんでもサッカーゲームのようでいて原作をしっかり踏襲した良作です。
最後にこのフレーズと共にこちらに向けて握手する動きと共に頭を下げる社さん、謙虚さと礼儀正しさと親しさがあって凄い好きです。あと全体的に歌声も普段の喋りや感情を露わにした時の声に近い時もあればおちゃらけっぽくしてみたりと、やしきず詰め合わせみたいで良い。社長が何も知らずに聞いたらオリジナル曲かと思ったというのも分かります。それだけ心も込められていた。
権利の関係上、無料枠だと前半しか流せないにも関わらずこの曲を選んだという理由がはっきりと感じ取れる選曲、素晴らしかったです。
3.チャイカソロ『OZONE』
耳長ゴリラだの女装おじさんだの虚言癖だの言われるチャイカさん(本当はエルフ)ですが、ご存知の通り歌が上手い。そしてよく動く。
元々ライブに出ていた実力の持ち主でしたが、今回は高音(ファルセット)が印象的。別曲も含めて聞くと分かるのですが、高音は社長に似て低い音は社さんに似るというユニゾンでも効果を発揮する声してます。
ここでの選曲は『遊☆戯☆王5D's』の第3期エンディングテーマ。
電波曲とかMC中言ってましたが全くそんなことは無い、歌詞をよく見たら普通に素敵なラブソングでした。
「ねぇ今何処?」という問いに対し「地球ん中」「オゾン層より下なら問題無い」という回答、実に良いじゃないですか。
ここで今回のイベントのコンセプトを振り返ってみましょう。
バーチャル空間も地球ん中と考えるか全くの別次元(=別世界)とするかは諸説ありますが、この3人は割と「現実と非現実の合間」の存在だと思ってます。
社長はたまにおもちゃの写真を上げるしダブスリ2人は生身の人間とよく共演していますし、社長と会社員という職業は現実感が強いもの。特に社さんなんて「大学時代や前の会社でこんな感じの人居たわ」感をヒシヒシと感じる訳です。ただここにエルフのチャイカさんを突っ込むと途端に非現実感が増す。
多分同じ地球ん中に居そうではあるけれど、同じ地球と呼ばれる別世界にいるのかもしれない。そうでないのかもしれない。化粧の濃いマッチョエルフが美声を放ちつつ舞い踊るという、冷静に考えると異様な光景を見ながらそんなことを思っていました。
潜在株主的には『トレモロムーン』との対比も面白いかもしれません。あの曲は私は社長=月と解釈してるのでオゾン層の外側ですが、そこから我々の元へ飛んで来てくれようとしているのでどっちもエモい。
あとここで踏まえておきたい文脈が「遊戯王」。
皆様ご存知の人気TCGでして3人共カードは履修済み。但し、社長と社さんは一部アニメ、チャイカさんは現代の対戦からは離れている様子。でも3人+イブラヒムでやったニコニコ動画での桃鉄企画 の待機中に行われていた社長とヒムさんとの対戦 を眺めていたり、映画をまだ見ていない社さんに社長と一緒にマウントを取った などのエピソードがあります。
今回の曲中でも、間奏で行っている床に手を付けるモーションは映画版遊戯王の「モンスターではない、神だ!」の地面ドローの再現。同じことを社長が3Dお披露目でやってボルホワ先輩を召喚したのでそちらも踏まえていると思います。
更に曲後にデュエルディスクからのドローやカード配置からの召喚!で社長と社さんが出て来る辺り、本当に好きなんだなぁと実感するポイント。社長のお披露目時には葛葉さんより社さんとチャイカさんが召喚されたことも思い出されます。
いつか3人にKONAMIさんから案件が来て本物のデュエルディスクを嵌めてモンスター召喚できる日が来てほしいと思います。ちなみに弐寺もKONAMIさんです。どうか何卒。
4.全員『うっせぇわ』
MC挟んでトリオ曲。もうね、これもとても良かった。選曲と歌詞割が神。
世間でなかなか物議を醸したこの曲、元は「若い世代(新人社員)が年上世代に反発する」という位置付け。これをこのアラサー(+年齢可変)が歌うとちょっと意味合い変わるかと思いきや、ダダ嵌まりしてしまいました。
全部の歌詞割追いたいぐらいなんですが流石にちょっと自重しつついきます。
基本的にダブスリの2人は「優等生」。元々コンビ名の第一案は「コンプライアンズ」(同じ映画やバンド名があったのでTCG用語の「ダブルスリーブ」で決定)だけあって、危ない発言はほぼ無い案件上手でしっかりした大人です。
その一方で、3人共「遊び足りない」のフレーズが当てはまりすぎる子供心の持ち主。時におもちゃに興じ 、カードゲームに興じ 、度々ゲームで大賑わいする間柄。
多忙故に度々リスナーから体調を気遣われつつも3Dで大暴れする姿は「あなたが思うより健康です」を体現するかのよう。
そして3人が3人共、実はアウトローというか暴力的な匂いもありまして。
「模範人間だから殴ったりしない」社長は、ARKで戦争を引き起こしダクソを脳筋ビルドでゴリ押ししパワプロの学校名を暴力高校にして龍が如くで数々の敵を黙らせる(物理)してきた経歴の持ち主。足癖の悪さを踏まえたら「殴りませんよ!」(蹴りはする)みたいなタイプです。
「言葉の銃口を頭に突きつけて撃つ」社さんは「教育と言え!」でお馴染み(※発案者は社長)でありMTG警察の厳しい方、麻雀における魔王役、でび虐の名手としても知られています。インテリ系のフリして割と体育会系。最近では「ひし形ですじゃねぇんだよ!」も印象的でした。
「止まれやしない」チャイカさんは社長ですら「無抵抗にできない(=行動させないようにできない)」と言わしめるアンチェインドな危険人物。その場の気分で引き起こす言動は時に配信を破壊しかねないという本当にマジヤバない?という存在。
彼らが「うっせぇうっせぇうっせぇわ」と吼えるの、カッコよくないわけがない。
間奏では社長はそう言うのを躊躇しているように見えるのも良いけど、結構建前ではという気もする。社長の理性は意図的に作られていると薄々思っています。本質は多分獣寄り。
故に社長に「くせぇ口塞げや限界です」「私が俗に言う天才です」「一切合切凡庸なあなたじゃ分からないかもね」部分を当てた人にはスパチャを投げたい。本当天才〜〜!!今まさに非凡な所見てる〜〜!!と脳死でペンライト振りたい部分でした。(※本当は歌に対しては謙虚で努力家です)
……ってか選曲と歌詞割り社長かよぉ!!(振り返り配信より/黄色だけどスパチャ投げました)
「この曲は社さんを中心に」っての、めちゃくちゃよく分かります。そりゃもう社畜だもの。一番原曲のテーマに近い存在だもの。お酒ネタとの親和性も良いもんな。
なおこの曲、以前に一部の大人からは批判が出たということでARK配信で社長が教育ママネタにしてました 。
でも結局良い曲と言っちゃう辺り、社長は戦闘民族だけど根っこは善、というか「無邪気」だと思ってます。悪意は無いし良い物は良いと言う性格。この頃にはもう選曲が済んでいたのか、これも踏まえて選んだのか。どちらにしろ繋がり面白い。
5.加賀美&チャイカ『Redemption』
ゲストであるBOYS AND MEN(ボイメン)さんとの勝負パートやボイメンさんの歌パートを経て(生身の人間のダンス凄かったです、いつかシンカリオンの曲社長と歌ってください)、デュエットパート。まずは社長とチャイカさん。
曲は『ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII』の主題歌。Gackt様の曲だけあって妖艶なかっこよさがあります。メロからサビへの上がり方がめっちゃ良い。
社長は基本的にFFプレイ未経験だった筈(X辺りやったと言ってたかも?)なのでその辺りは割愛。
敢えて特筆すべきはモーションでしょうか。
これまでのライブで互いに影響を受け合っていたと語る2人が同じステージに立つってだけでもう感慨深いんですが、これまで(ジョー・力一さんを経て)チャイカさんが真似しまくっていた社長の蹴りやアクションを並んでやってるのが素晴らしい。「ほぼジンガ(カポエイラのステップ)」と言ってましたがそういうのすっと出来る間柄……良いよね……
社長のシンバルキックは相変わらずのキレと高さですがチャイカさんも負けていません。社さんもなんですが大概アラサーとは思えない体力と身体能力してます。
この3人は3Dの身体を経て活躍や見せ場の幅が大きく広がった人達なので、それが実感できて大変嬉しいです。オタクは歩んで来た道程だの物語性だのに弱いんだ。
6.社&チャイカ『Great Days』
仲良し故にユニット名は付けない2人のデュエット。何気に2人だけの歌というのは初だったりするんですかね?
この曲はこれまた名作『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部(アニメ版では第3クール)『ダイヤモンドは砕けない』のOP曲。
ジョジョもまた当然のように3人共履修済み、特にこの2人は何かにつけてジョジョ立ちしている印象があります。
曲中にも色々小ネタが仕込まれているのですが、残念私はアニメ版未履修! 原作うろ覚え!なので分析等は有識者にお任せします。
更に本来であればOTN組への言及するところなんでしょうが、こちらも未履修でして……というか私がにじさんじ沼に浸かり始めた頃、気付いた時にはアズマさんは既に卒業されていまして……今や断片的な情報でその存在を知るのみとなっています。
この辺り、にわかで踏み込むのもどうかと思いますのでやはりこちらも詳しいことはファンの方にお任せしますが「別れの時さえ砕けぬ意思で」「自分乗り越え掴み取れ未来」辺り、とても良い歌詞だなぁと思う次第です。
7.全員『Wild Challenger』
ラスト曲! 3人揃って『ボボボーボ・ボーボボ』OP曲を熱唱しました。
この曲は「強く戦おうぜ」という意味合いのただただストレートな歌詞とノリノリな曲調が魅力。上手いとか下手とか音程とかあんまり気にせずにパワーとパッションでゴリ押しで進む感じなの凄い好きです。ただ割とリズム取り辛いというか普通に舌回すの大変そうなんでちゃんと滑舌良く歌えるのすげぇや。
元々ボーボボはカルト的人気を誇る作品でして、これまた3人共通の好きな作品ですね。
実は社長はテレビ(musicるTV)に出た際にこの曲が好きと挙げてます。それまで堅めにインタビューを受けて次世代のライブの形を語ったりしていたのですが、CM明けのアイキャッチとしていきなり出て来ていつもの笑顔とちょっと緊張が解けた声でこの曲が好きと言ってて「ボーボボ?!」となったのを覚えています。
だからこそか「一番練習した」「社長が指導の鬼と化してた」と言うだけあって歌もダンスもバッチリ。そしてグラサンもキマってました。サビの指差すポーズの3人の、首やら手やら身体やらの色んな角度が愛おしい。あと練習風景見たかった。「違う、そうじゃない!」「甘えるな!」って叫んでる社長のFAください(強欲)。
「うっせぇわが社さん主体ならこの曲はチャイカさん主体、作風が合ってる」という社長の言葉に激しく同意。
途中の「Like a MACHOMAN」の歌い方が本当にそれっぽくて何か好きです。原曲がという以上に洋楽っぽさ、MCハマー感を受けます。随所に出る「マッチョ」というワードが耳長ゴリラにまぁ嵌る。
歌詞割りは天才なのに間奏部で何も出て来ない社長を2人がサポートする構図も実に良いですよね。
小ネタ随所に挟まってるようなんですがこれまた私がボーボボ未履修で拾いきれないという残念さ。知ってるのは人気投票で上位を全部ボーボボが取ったってことと、ボーボボの側には太陽みたいな人(人?)とビュティって女の子がいることと、武藤遊戯とオシリスの天空竜が出たってこととアニメ版のボーボボのCVが子◯さんだということぐらいです。ミリしらにも程がある。
しかしにじさんじ内にはハジケリスト(※ボーボボファンのこと)はまだまだ居ることを示すように、3人のライバーがコーラスで参加中。
既にTwitterでは表明されてますが敢えてここには書かないので気になる方は何も調べずにチケット買って聞いてください。ただハジケリストというだけで分かる方は分かるかも。
私は聞いた時、1人は「あの人だろうなーあーやっぱりこの声きっとそう」、1人は「聞き分けられないが多分この人はいるだろう」、1人は「マジか! あっでも聞き返したら確かにこの辺にいる気がする」となりました。MIXの妙義よ。
コーラスに合わせて両手上げて「オーエーオーエー♪」って踊ると大変楽しいので皆様もやりましょう。こまけぇこたぁいいんだよ。聞く抗鬱剤。たまらん。
8.全員・アンコール
次なる会場・広島の情報公開とプレミアムチケット購入者のテロップを踏まえて本当の最後の曲へ。
(ちなみにメッセージに触れられはしなかったですが自分のメッセージが推しの後ろを流れていくのはなかなか良いものでした)
これ、公式Twitterでは曲名公開されてなかったんで一応更に折り畳むので見たい方のみどうぞ。
問題無い方は続きを読む
曲は『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』。サンボマスターさんのド名曲です。
「ラブアンドピース」の伏線回収ですね。正味最初にタグ見た時はちょっと使うの恥ずかしいなと思いつつも盛り上げようと思ってツイートしてた訳ですが、こんな形で繋がるとは。上手い。
にじさんじでこの曲と言えば、第2回にじロックのアンカー・三枝明那さんのトリ、つまり企画の大トリ曲 。他に13名(+みんな)がコーラスに参加している贅沢な1曲です。
この企画は社長が一番手として生バンドを務め、初めてWITHINフル版が公開されたもの。色々な意味で印象深かったのですが、アッキーナの番になる頃にはそれも多少は癒え……たと思ったらまた泣かされました。ライバーとみんなでの合唱は狡い。
アッキーナと社長と言えば、にじメン歌リレー への参加を誘い続けてもらってたり、にじFes前夜祭 やにじさんじ3周年楽曲 に共に参加をしたり、ARKエクスティンクション編にて共にトライブを組む間柄。コラボ機会は多くないものの初期から交流はある(例:生きたマスを見ながら焼いたマスを食べる三枝明那 )ので外野は勝手に繋がりを感じてエモくなります。
そしてこの曲、元はドラマ版『電車男』の主題歌。
冴えないオタク男が電車で女性を助け、ネット(2ちゃんねる)の力を借りて恋愛成就を目指すというハートフルストーリーのエンディングに相応しい泥臭くもストレートな日本語ロックにしてラブソングです。私もリアタイしてて毎週聞いては良い曲だなぁと思ってた記憶があります。……16年前? そうか……それぐらい経つわな……(※私は社長と同年代とだけ記しておく)
社さんは自他共に認めるオタク君、社長もほん怖好きでアスキーアートも把握していた辺り2ちゃんに慣れていた模様。チャイカさんは若干タイプが異なるようですがこんな2人とつるめる辺り十分オタク気質ありと言っていいでしょう。
そんな3人がネットの世界で、ライブの最後にこの歌を歌う。
普段愛だの平和だのは笑い飛ばすかやんわり流しそうな人達が、リスナーへの感謝の気持ちを込めて高らかに叫ぶ。
そして声を上げることは本来怖いもので、きっと色々な理由で(それもう色々な理由で)あまり歌枠を取らなかったり歌動画を出さなかったりする人達がこの曲を選んだというその意味を考えては、改めて身につまされるわけです。
悲しい言葉では何も変わらない、裏切りも忘れちまおう、新しい日々を変えるのはいじらしい程の愛。
これは16年前には刺さらなかった部分で、大変なことも沢山あったであろう3人が歌うからこそ、そして今の私は以前の私と違うらこそ重みを持って届いた部分なのかなと今回思いました。
そうできたらいいなぁ。そうしてくれたらいいなぁ。愛せたらいいなぁ、愛し続けられたらいいなぁ。
そんな願いを込めて咲く花はとても綺麗でした。
そして原作通りにうっかり間奏で長く喋りすぎるチャイカさんと、それを小キックで止める社さんと、笑いを堪えて歌に入る社長はとても楽しそうで幸せそうで平和で。この時間が終わらなければ良いのにと、そんなことも思っていました。
でもそんなことは絶対無いのも知っていて、その為にきっと歌はあるのだと思います。
また翌日になれば各々のやることに戻って行く。それでもまた何かあったら集まって下らない話をしたり遊んだりするこの3人が好きだと改めて実感しました。
そしてこの曲の前後で、合間で語った社長の言葉は毎度のことながら心身に沁みました。
悲しいこともたまにはあるけど、笑ったし叫んだし歌いました。皆さんの「これが好き」と「熱」は今回もちゃんとこちらに届きました。
熱狂を本当にありがとう。どうかまた会いましょう。いつかどこかで。ずっと待っています。
終わりに
このコロナ禍に於いて、アーティストは何ができるのか。Vtuberはどんなライブができるのか。
社長がこれを考え始めてから恐らく1年(或いはもっと長く)経過しました。
去年の2月に初めてステージに立つ社長を見て泣いて、8月の3Dお披露目でまた泣いて、9月の京まふのSMC組で泣いて、12月のNJU歌謡祭で笑かされて、2月のにじFesで熱くなって、4月の今また笑いました。次はまた来月もう何かある様子です。
「また会いましょう」の頻度が毎度毎度予想外に短くて、でもその度にしっかりチャレンジングな物を持って来られて、望むものもあんまり無くなりつつあります。ハードルは高くするものではないと思う一方、毎回飛び越えられてしまうのでもう立てられるものが無い。真の意味で想像を超えて来てます。
それが、どれだけ大変なことか。私は玩具業界にも音楽業界にも詳しくないけれど、楽しいことばかりではないことは何となく分かります。だって社会ってそういうものだから。仕事ってハードなものだから。様々な制約の中で利益と価値を生み出すことを求められるから。
でも今回のライブ、正直面白い人選されたなーって思ってまして。
手前味噌ながら社長を起点として採用するとしたら、VACHSSメンツ辺りから数人かなと思うのですよ。社長と社さんとチャイカさんという3人、ただのゲーム案件ならともかく揃って歌のライブに出る柄じゃない。
でも実際に選ばれたのがこの3人だったということは、メ〜テレさん(或いはスポンサーさん)にそれだけの理由があったのかなと思います。理由はどうあれ諸々融通も利かせてくれて、時々おかしくなって大盤振る舞いしてくれた。
その結果社長達が思い描いた通りの物を作ることができたことは、とても幸運でありがたいことなのだと思います。スケジュールが違っていたらこうはならなかった訳なので。
そして今回のライブは他の誰でもない、間違い無くこの3人でなければ出来上がらないであろうものだったでしょう。
セトリも演出もそうだし、3人やボイメンさん、天の声さんとの掛け合いも然り。もしかしたらこの3人でライブをすることは今後二度と無いかもしれない中で、最高の形で幕を閉じたなと、見る側からもそう思いました。
最新が最高という社長の言葉の通り、また最高は更新されました。ありがとう社長、社さん、チャイカさん、関係者の皆様。
あと最後になりましたがプレミアムチケット特典のボイスもめっちゃ良かったです。社長あんな演技もできたんだとか、社さん上手いなとか、チャイちゃんは最後までチャイちゃんだなとか色々思いました。
これまで私はあんまりグッズにお金使うこと無かったのですが社長相手だとどんどん財布の紐緩んじゃっててヤバイです。でもこのお金で主催者さん達が嬉しくなったり新たな機会に繋がるのならそれもよし、潜在株主の名に恥じぬ投資であったなら幸いだと思ってます。(余談ですが社長のそのまんま腕時計も買いました。にじさんじ運営さんも今後共何卒宜しくお願い致します)
なお、蛇足気味ではありますが改善点を挙げるとするならば。
ダブスリのデュエット……やっぱり欲しかった……! 時間の関係上難しかったということですが、やっぱりね、オタクは強欲だから。聞きたいじゃないダブスリの歌。社さんとチャイカさんの声が合うんだから社長と合わない訳が無い。
折角歌うなら社長のポテンシャルと社さんのキャラクター性を活かせる曲がいい。もういっそ電波曲でもいい。適する曲、あるじゃないか。
そうです、『お米の美味しい炊き方、そしてお米を食べることによるその効果。』です。社さんはプレイ済み 、社長も知ってる 。お米は大事。狼は知っています。長さも短いので歌ってみるで出すも良し、歌配信の隙間にすっと差し込むも良し。
或いは形式上のデュエットとなりますが、スクリームとコーラスが社長でメインが社さんの『WITHIN』でもいいです。多分成立したら私はエモさで顔を覆いながら死ぬ。オタクすぐ死ぬ。まぁこの辺は妄言なので流していいです。(ただダブスリのダブスリはマジで待ってますので何卒……!)
願わくば「また」がまた早めに来たらいいななどと思いつつ、その一方でもうちょっと空いてもいいのよ、心臓が保たないからとも思いつつ、いや無理そうだなもうすぐに月変わるんですが?と思いつつこの長い話を終えます。
関係者の皆様、本当に本当にありがとうございました。どうか愛と平和が皆様にもありますように。