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 プロフィール・説明Twitterマシュマロ

最終更新:2024/08/18 16:12

 夏と言えばそう、にじさんじ甲子園。
 育成期間の追い込み中とあって連日のように各校監督が配信してるんですが、そんな中で以下の動画が上がりました。
 ROF-MAOの『フルカウント』、4月にやった1stライブ(in大阪城ホール)の単体動画です。
 リアルタイム時とはまた違ったカメラアングルなんで既に見た人も楽しめるんですが、今回はこの曲の歌詞とライブ映像を改めて確認させて頂きたい。
 
 だってこの曲、すんごく野球、ひいてはにじさんじ甲子園っぽいんだもの!

この曲について

 この曲、初出は2023年10月18日。ROF-MAOの1stフルアルバム『Overflow』の先頭を飾る曲です。
 その時点で「めっちゃ野球の曲だ~!」と思ってたんですが、ある時こんなツイ……ポストを見掛けまして。
 
「フルカウントって野球のニュースで言ってた~、そっちでも使うんだ」
 
 ……ろふまおのファン層の方、もしかして野球を知らない?
 いや私もにじ甲から知ったから詳しい選手やルールとか全然分からんのだが、それにしたって本当に未知な方が居る?
 
 でもこれ、当たり前っちゃ当たり前。
 今でこそオオタニさんで盛り上がってるけど、それまでは「好きな人は好きだよね」「たまに何か話題になってるよね」ぐらいの認識なんです。女子だと。(勿論野球好きな女子も居るけど)
 オタクだと漫画やアニメで触れてる人も居るけど、それでもルールや用語を全部把握してるかというと怪しいと思います。作品側がぶっ飛んでる場合もあるし。
 
 なんで、そういう人にも「めっちゃ野球の曲じゃん!」と思ってもらえるといいなと思って書いていこうかと。野球のルールが分かるとにじ甲も楽しいので。
 なお前述の通り私もニワカなんで、「ここ違うよ」「ここもそうだろ」ポイントがあったらマシュマロ等でご指摘頂けると幸い。
 また、フルの歌詞はこちらを参照しています。

1番:投手側

点滅した3色 冷静は遠のく 喧噪は広がってく

「カウントボード」のことです。
 野球中継の右上か左上に、「B」「S」「O」って文字と3個か2個の色付いた丸があったり無かったりしますよね。アレ。Bは青、Sは黄色、Oは赤で示されるので「3色」です。
 パワプロだと丸じゃなくて数字表示なんで、そっちだけ見てる人はちょっと把握しにくいかも。カウントボードで画像検索してみてね。
 
 これは現在の投打状況を示しています。
「B」は「ボール」。4つ溜まると「フォアボール」となり打者が1塁に進めます。打てない場所に投げるのはダメだよってことです。
「S」は「ストライク」。3つ溜まると「スリーストライク」となり打者がアウトになります。打てない場所に投げてるのに打てないのはダメだよってことです。
「O」は「アウト」。3つ溜まると「スリーアウト」となり、その回の攻撃が終わって攻守交替(チェンジ)となります。
 
 この3色が点滅してるということは、試合が進んでいるということ。
 更にいっぱい色が点いてるのは、投手と打者の間で切羽詰まった戦いが起こっているということになります。
(例えば初球を打ってヒットかアウトになると、BとS(青と黄色)のランプは点きません)
 なので選手の冷静さは遠のくし、応援席やベンチの喧噪は広がってくわけです。

革命の目の前に立って

 野球用語ではない(多分)けど、「革命=逆転や下剋上」なのかなと思います。
 前評判でどっちが強いとか言われがちだけども、それをひっくり返すのもまた魅力的なもんで。

それは語るなよ 見せてやれよ 大きな背中で

 この曲だと、というか多くの野球を題材にした作品がそうであるように、投手と打者がフューチャーされてます。
 攻撃の時、打者はチームメイトに背を向けてバッターボックスに進む。
 守備の時、投手はチームメイトに背を向けて球を投げる。
 挫折や弱音を語らずに背中で(ひいてはプレイで)見せろっていうの、実はめっちゃ野球っぽくて良いフレーズだなぁと思います。

ほんの数秒の永遠に それぞれ夢を見ていたんだ

 投手がボールを投げて打者が打つ。それはほんの数秒。
 でもそれが時に永遠にも感じるし、そこに懸けた夢があるのは、にじ甲を見ているだけでも段々分かってくるかなと思います。
 しかもここ、タイトル及びサビにも掛かってきます。

さあ振りかぶった

 ここ。これめっちゃ野球フレーズ。実況で聞いたことがある人も多いんじゃないかと思います。
 で、前述のライブ映像の加賀美ハヤトをご覧頂きたい。
 
 マジで振りかぶってるんですよ。
 球投げる振り付けやってんの。リアタイ時にこれ見た瞬間、もう泣きそうになりました。
 
 この曲、野球要素を無視してさらっと聞くと「ここぞという場面で力を出して頑張ろうぜ、逆境を超えて行こうぜ」という応援歌なんですよね。
 MV版なんて野球要素皆無。これまでの思い出と困難を乗り越えてくろふまおにフューチャーされてます。
 まぁそれでいい。ろふまおのメインファン層にはそっちでいい。
 ライブも振り付けはカッコイイ&エモな雰囲気だし、背景動画もロードムービー的な感じ。寧ろこの曲で衣装チェンジが入るの、MV版を順当に踏まえてるとも言える。
 
 なんだけど、社長はしっかり野球要素入れてきてくれた。
 まあほんの一瞬だし、深く考えずただ歌詞をなぞっただけかもしれない。でも社長のことだし、ちゃんと「野球の歌でもある」と示してくれたんじゃないかと勝手に思っていて、それがとても嬉しかったんですね。
 にじ甲2021年覇者で、リアル野球観戦して、バッティングセンターにも言って、歌詞や歌い方を毎回気にする人だもの。そんな夢を見てしまう。
 
 しかもこれまでのライブ映像だとこの動き、角度とカット割り的にちょっと分かりにくかったんですが、今回正面から4人を映すアングルなので大変分かりやすい。ありがとうございます! 0:57辺りからなので皆さんも見返してね!

フルカウント

 タイトル及びこのサビ全体で言えることなんですが。
「フルカウント」というのは、冒頭に出てたBとSの数字が全部満タンな状態(この数字が「カウント」です)。
 1つボールを出したら打者は進める、1つストライクを出したらアウトになる。投手も打者も絶体絶命。もしアウトも2の状態だったら更にもっと切羽詰まってます。
 本当に「駆け引きの末のギリギリで始まるドラマ」状態な訳です。
 
 あと、野球には「サヨナラ」というルールがありまして。
 9回裏(後攻が攻撃中)の状態で、1点でも多く取ったらその時点で後攻の勝ちで試合終了になります。
 例えば9回裏同点、満塁、フルカウント、2アウトという状態の場合。
 1つボールを出せば打者が進み、他の塁の走者も1つ進むので押し出し得点→投手チームの負け・打者チームの勝ち。
 1つストライクかアウトを出せば攻守交替→延長(もしくは引き分け)。
 となります。まぁ全身が震えるわなそりゃ。
 
 或いは例えば9回表、攻撃側の得点が少ない状態で他は上記同様の場合。つまり先攻で負けている場合。
 その回の攻撃で同点以上にならないと、そのまま敗北が決定します。
 そこでフルカウントということは、投手チームは勝利目前。でもフォアボールになれば打者が塁に出て点を稼げるかもしれない。
 
 そんな切羽詰まったシーンの曲だし、その様子をしっかり描写してるの、大変良いなと思います。

叫ぶマウンド まだ終わらせない 繋げる今を

「マウンド」とは投手が立ってる場所のこと。
 多分フルカウントから投げ終えて、ひとつの決着が着いたのでしょう。そりゃあ叫ぶわ。勝敗どっちにしたって。
 
「まだ終わらせない」は前述の通り、延長に持ち込んだのかもしれないし、同点や勝ち越し(点数がリードすること)になったのかもしれない。
 甲子園モチーフなら、勝利して次の試合に進めたって意味合いもあるかもしれません。
 負けたら3年生は卒業っていうの、高校スポーツだとまたドラマなもんで。

限界はとうに超えてるんだろ

 パワプロには投手のスタミナというシステムがありまして(いや人間にもありますが)。
 これが減ると投手としてめっちゃ弱くなります。ストライクが取れずボールばっかりになるとか、打ちやすい球ばっかりになるとか。なので栄冠中(育成期間)は伝令でスタミナを上げたり、投手を交代(「継投」とも言います)をする訳です。
 
 ですが選手や監督によっては、限界を超えても投げさせる場合もあります。
 継投先のスタミナが少ないので温存したいとか、攻撃時の打順的にここだけ頑張ってほしいなど理由は様々ですが。
 ……にじ甲とろふまおを見ている方は思い当たるのが2人程居るでしょう。
 
 2021年に社長と決勝でぶつかった、にじさんじ高校の投手・叶。
 2023年に剣持監督の下、ヘロヘロになりつつもやはりにじさんじ高校を抑えた投手・天宮こころ。
 
 前者はゾンビ、大会最強と言われつつも激打により人間に戻されようとしたり、後者は「可哀想だよぉ!」という声が周囲から飛び交いつつの強行だった訳ですが、まぁどちらも限界超えつつ今を繋いでた。
 それを思い出させるフレーズだなぁと思う次第です。

2番:打者側

途切れがちだった約束だって今この場所に繋がって

 高校野球で「約束」と言えばそう、「甲子園に行く」ですね。(「優勝」よりはこっちが目標の場合が多い)
 昨年は比較的易化していたとは言え、にじ甲においても安定して毎年甲子園に行くって、結構強いチームが必要です。今年なんて特にそう。
 甲子園に行けたり行けなかったりする、だけど今年も行きたいから頑張るってことですね。

誰かが握った拳も枯らしながら叫ぶ思いも 届いているから今度はこっちが届ける番だろ

 応援席と選手の間柄。もしくはベンチとレギュラーの間柄。打者とそれを待つチームメイトの間柄。応援に応えるって大変だけど凄いよね。
 にじ甲においては毎年監督が変わるので、そっちの要素も加わるかもしれません。
 今年はろふまおだと不破監督が初参戦。これまでは各校でエース(メイン投手)を張っていることが多かったですが、それが監督になるのもまたひとつのロマンかなと思います。今年は良い選手を引きつつもゲーム仕様上試合は苦戦していますが、本戦ではどうなるのか大変楽しみですね。

これまでの悔しさに意味があったんだって

 今年は特に顕著かもしれません。
 にじ甲って運次第なところが滅茶苦茶多いんですが、その中でも「あそこでああしていれば良かったかもしれない」ってポイントも存在するんですよね。恐ろしいことに。
 あと選手側で考えると、単純な試合での悔しさだけでなくレギュラー争いとかも存在する訳で。
 その悔しさも、後に報われれば意味があると言える。時間を掛けた末のカタルシス、良いよね。

奇跡は待つもんじゃない 泥だらけになって奪いにいく

 野球は屋外でやるもの。おまけにスライディングもするので泥だらけになります。
 栄冠内でもマネージャーがユニフォームを洗濯するイベントもありますしね。サークルクラッシャーのイメージが強いけど。
 投手は比較的綺麗なままなので、1番サビは投手視点なんですが、2番サビは打者視点と言えるのかなと思います。

遥か遠くもっと遠くまで 打ち上がる希望が続いていくような

 ホームランのことです。シンプル。場外までぶっ飛ばせ。ボーナスとかは無いけど。(本戦だと看板ヒット賞が今年もあるかな?)
 前述のフルカウントというか満塁の状態でホームランを打つと4点が入ります。これを「グランドスラム」とも言います。
 今年は打ち込まれる側の印象が強いですが、ライバーがぶちかますところも見たいものです。
 
 ライブだと、希望や期待をリアル(現実)にしてという歌詞で新衣装に変身するの、ちょっとエモさ無限大か。
 ああいう変身はVtuberならではなのでジャンジャンやって頂きたい。
 なおリアタイした時はあまりの展開とその後の静かなパートで息を呑んでました。「マジかよ」しか浮かばなかったよ。新衣装はどこかであるかもとは思ってたけどこんなに早いとは思ってなかったよ。無料パートだぞまだここ。

3番:未来へ

溢れる汗と涙は混ざって頬を伝って 地面を黒く濡らす

 スローモーション中なので、過去のフラッシュバックでもありそう。
 多分かつての敗北したシーン。「地面を黒く濡らす」って、文字通りの表現でもあるんだけども。
 深読みするとね、甲子園の土って黒いんですよ。栄冠のアイテムにもありますよね。
 泣きながら、黒い土を更に黒く濡らしながら、甲子園の土を集める球児。悲しいけど毎年名シーンでもある訳で。
 こじつけかもしれないんですが、これも踏まえてるんだったら上手いなーと思います。
 
 とっても余談ですが、甲子園球場のフィールドは阪神園芸さんという会社が整備しておりまして、これが名人芸だと言われてます。雨が降ってもすぐ綺麗にしてくれるし、阪神園芸に無理ならそりゃ無理よってなるらしい。こういう縁の下の力持ちの話好きです。

絶対に絶対に逃したりしない

 前日のようにフルカウント、勝敗が決まる瀬戸際の場面。
 目の前に近付いた最後の一瞬。それを掴もうとするのは守備側も攻撃側も両方同じ。
 
 で、この後で社長の「イェーーー!」が来るんだけども。
 原曲聞いてライブ版まだという奇異な人がいたら、今すぐ聞いてきて頂きたい。
 
 その前のブレイクダウン……天才か……?
 
 色々なパターン試したとどっかの振り返りで話したりしてたんですが、これね、あまりに天才。
 ライブを見てるようなファンは大体原曲を知ってる訳です。なのでここで社長が吼えることは知ってる。寧ろ来るぞ来るぞと身構えてる。
 そこで一拍置くことによって、息を呑ませる訳です。
 その後の社長の声も強い強い。その途中から入って来るバンドとラスサビへの盛り上がり、ライトの明るさもあって半端無い。
 
 この場面、特に何も言ってないんだけど、原曲版から思ってたんだけど、確定ホームランのシーンがめっちゃ合うんですよね。突き抜けるような社長の声がピッタリ。
 もうね、お好みの場面のお好みの選手のホームランを当て嵌めて頂きたい。
 私が挙げるなら敢えて2022東京ゲームショウエキシビジョンのおニュイの確定ホームランです。この試合が実現したこと自体もそうだし、加賀美実業唯一の心残りを回収してくれてとても嬉しかったんです。

弧を描いて 未来にいけ

 野球において弧(アーチ)を描くって言ったら実はホームランのことでして。
 フルカウントからのコレ、投手負けてないか……?と思わなくもないんだけども、それもまたロマンなのかもしれない。
 
 ここで全然違う曲を引き合いに出すんですが、さだまさしさんの『甲子園』という歌があります。(サイレン甲子園でお馴染みの力ちゃんが好きな歌手さんです)
 男女が甲子園をテレビで見てる、こちらは大変大人な歌なんですが、そん中に好きなフレーズがありまして。

3000幾つの参加チームの中で たったの一度も負けないチームはひとつだけ
でも多分君は知ってる 敗れて消えたチームも 負けた回数はたったの一度だけ

 これ。
 どちらかの勝利はどちらかの敗北。それはもう仕方が無いこと。
 でも、だからこそ勝負はヒリつくし気持ちは昂るし、一瞬の先に未来は続いてくもんだとも思うのです。
 
 あと、弧ってもしかしたら変化球かもしれない。打ち取ってるかもしれない。
 勝負の行方は分からない。だから見てる方も熱くなる。そんな感情を抱きました。
 
 最後に、もうひとつ弧で思い出すもの、あるよね。空に描かれる弧と言えばアレよ。
「ROF-MAO」という単独の肩書きで動くことも多くなったグループの、最初のアルバムの最初の曲。その最後にこのワードが入ってて「未来にいけ」と言ってるの、何だかとてもエモいなと。
 何だかんだ離れた訳ではなく、寧ろずっと傍にあり続けているような気がして、とても良いなと思います。

最後に

 いやー名作。今回は歌詞とライブ演出に注目しましたが、曲調として静と動が入り混じってるのもまた良い。
 野球ってチーム戦ではあるんですが、攻撃の大本は投手と打者の1対1ってのが面白いところだと思います。
 極論、投手が27回三振取ったらそれだけで負けはないわけで。でも勝ちも無いってのもミソ。守ると同時に点を取らないといけない。大谷さんならともかく、投手1人じゃなかなか点は取れない。
 
 そういうサシのヒリつきとチームの熱さの両方を表現してる『フルカウント』、やっぱ好きだなー。
 にじ甲のどっかで楽曲使われたりするかなと思ったけどそんなこと無かったんですが、本戦を楽しみにしておきます。
 
 そしてやっぱり、にじさんじ甲子園という企画も好き。
 育成期間も残り僅かですが、どの監督も頑張れー! 今年も熱い夏をありがとー!
 
 2024/08/03 夕星
 
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感想文ROF-MAOにじさんじ甲子園

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