今年で早くも4回目の、社長の誕生日合わせの振り返り記事もとい思ったことを記しておくだけの場所。
毎年恒例のフレーズだけど色々ありましたね。今回も緑色の文字は関連リンクなので是非そちらもご覧頂き、加賀美ハヤト沼に更に更にハマってもらえれば幸い。
なお例の如く遅刻したが許してほしい。今年もまた事前準備どころではないお祭り騒ぎだったもんでな。
過去の記事はこちら→2019年/2020年/2021年
あと今年のオススメゲーム配信は長くなりそうだったので別記事にするつもりですが予定は未定です。
リスト見てるとね、全部オススメしたくなっちゃうからね仕方ないね。
誕生日当日と『22』の話
あまりにインパクトが大きすぎたので、まず誕生日に起こったことから話す。
12月1日23時45分。これ以前にもデュエプレ新弾開封で今日も今日とてピッカピカにパックを光らせK2登頂したまま下りて来なかったりろふまお塾で園児になったりもしたのだがそれはさておき。
誕生日を迎える配信ではお酒片手にさながらクラッカーのような色とりどりのコメントでお祝いされた、のはいい。
そこで出された新曲の報。確かに事前に作っていると言っていたが、「デジタルリリースは明日」という衝撃のお知らせ。
更に2年越しに開設されたメンバーシップ。コメント欄が緑に染まる。
当日こそこれらと「我儘にしてみようかと」には若干戸惑いもありつつも、メンシの説明と実際にお出しされた新曲『22』で全てを理解した(気になった)。
加賀美ハヤトがメンシをやっていなかった理由とやろうと思った理由は本人の説明で充分なので本編を見てもらうとして。
そこに「メンシをやらない加賀美ハヤトが好きだった層」への言葉も交えているのは流石としか言いようが無い。自分も割とこっち派だったのだがこの説明に何も反論出来ないし、もし割れ煎餅コーナーでMtGAでもやられたらと思うとホイホイ飛び込まない訳が無い。
強いて言えば、「現在のサービスに満足している層は何も言わず、そうでない層の主張が大きいのでそれに合わせてサービスの変更を行ったら、既存で満足層が不満を持ち離れる」というどんなサービスでもあるあるな事態への不安がゼロではない。他にも予測していない弊害があるかもしれない訳だが、他のほとんどのライバーはメンシをやっているし、社長のことなので想定し得る状況は覚悟と理解の上だろうし何かあっても概ね上手くやるのではないかという信頼もある。
何より大変下世話なことを言うと収益ががっつり増える訳で、数人が不満を持とうがそれ以上の利益が本人にも会社にもあるという判断だろう。世知辛い話だがこの世の大半の問題は金で解決出来るのだ。
社長は社長なりに今後もコンテンツを提供してくれるとなれば、こちら側で何か考えることがあるとしたら自らの言動により推しや他リスナーに迷惑を掛けないことを改めて心掛けることぐらいか。
これは私が何度も取り上げているが、「迷惑と言われている行為は何故迷惑なのかを1人1人考える必要がある」(当時の議題は伝書鳩だがリスナーの様々な行動に当てはまると思う)という社長のスタンスを気に行っているので、常に思考をやめないようにしたいなと思う。(たまに感情のまま突っ走ってしまうけれど。今年の自分の反省点でもある)
そして出された新曲は、「好き勝手した」と本人が言った通りだなと誰でも聞いて分かる作りなのがまず凄い。
ほぼ全編シャウト。ジャンル:メタル。にじさんじのデスボイス筆頭の、最新のオリジナル曲としてこれ以上無いぐらいにゴリッゴリなロックである。社長は勿論音楽隊も超ノリノリなの堪らんし、力強くもどこか切なく美しい印象があるのもとても良い。
FANTASIAの『ハミングバード』と並べると同一人物なのか?と思ってしまうが、この落差もまた加賀美ハヤトの真骨頂と言えるだろう。
作曲は睦月周平さんで「アイマスの曲とか」と社長は誕生日配信で言っていたが、これは間違いではないが作為的なミスリードだな~?と事前に睨んだ通りだった。ワンチャンアイドルソング路線もありかと思ったが、私は過去の提供作品の中に『ドロヘドロ』があったのを見過ごさなかった。
あと以前ぎゃぷいちさんが「クリーンボーカルパートが全くないゴリゴリのメタルコア曲とか出して欲しいなあ」と呟いていたのを覚えていて、そういうのもアリかと思っていたのでそこはまぁ予想の範囲内ではあった。
だが『22』というタイトルから、「もしや22歳=大学卒業の歳=これまで詳細が明かされてない過去話来ちゃう~?」とかも思っていたが、こいつは恐らく真逆である。
これは「2022年」、過去どころか「今」の歌だった。
ちなみに22はエンジェルナンバー(信念を持ち続けろの意)でもあって、確かにそういうメッセージと見ることも出来るので、ダブルミーニングもあり得ると思っている。
本家本元の歌詞が公開されたらまた意味合いが変わる可能性もあるので詳細は伏せるものの、現状出ている+ざっくり翻訳した感じだと、えぐい。
一応「志半ばで去り行く同僚へのメッセージ」という読み方も出来るのだが(ダブルミーニングでそちらの意もあるかもしれないが)、にじさんじ公式告知ツイートが「数多の他人へ送る、数多の他人の歌。」である為、ターゲットとしてはそちらだろう(社長は自他が明白なので自分以外は全て他人扱いでこうな可能性もあるが、その確率は低いと思う)。
『WITHIN』は美しく鋭く真っ直ぐな、金色の一振りのナイフだった。
『PIERCE』は重く大きくあまりに太い、黒と赤の一本の槍だった。
それに倣えば『22』は、あらゆる方向から襲い来る数多の銀色の刃の嵐を思わせる。
悪も、善の顔をする邪魔者も、全てを斬り付けて殴り付けるような。タイムリーなところで言うとチェーンソーのような、MtGで言うと《刃とぐろの蛇》とか《剃刀鞭の人体改造機》のような……それを沢山沢山集めて全部いっぺんに起動させたような攻撃力を感じた。
仮にこの歌詞の内容が私の想定する通りであるならば、これを表立って提示していいのかどうか?ともちょっと思ってしまう。「好き勝手」の意味の中に「こんなん出していいんですか?と言いたくなる物をお出しする」のニュアンスが入るのではと思う程のえぐさを感じている。
英詞はまだしも、日本語訳を公式から出してほしくないとさえ思ってしまう。これは完全なオタクの我儘なのだが、これは意味を自分で調べて「マジかよ」と呟くところまで含めたコンテンツであっていいのではないか、というぐらいに心が揺れた。(この記事を書いている時点では本人は日本語訳も出すつもりらしいけれど)
そしてもしこの内容に心当たりが無いという人は、それは逆に非常に平和で健全なファン活動を送れていると思う。
故に、逆に、私が直感した内容を広めない方がいいのではないか、知らないなら知らない方がいいのではないか、さながら「啓かないで」に該当するのではないかとさえ思っている。身に覚えがある、知っているからこそ刺さるものだからこそ、わざわざ刺さりにいくのは文字通りの自傷行為足り得るのではないか。ただのカッコイイ曲でいいのではないかと思う。
なのでまだ詳細は伏せるが、「各所に出る“He”って誰だろうね、色んな解釈出来るよね」とか色々思ってはいるので、MVが出た頃にはまた細かく語りたいなと思う。
ただ1つタイムリーな内容なので今触れておくと。
加賀美ハヤトの誕生日の前日、12月1日にとあるライバーの卒業の報が出された。
ぶっちゃけ社長とはあまり接点が無かった人だし、社長は余程の相手でないとこの手の内容に触れないので今回もノータッチだったしそこに何か言うことは無い。
が、その直後にこの曲が出たという事実が、私の心を大きく揺らす要因のひとつであったのは否めない。
勿論内容もリリースタイミングも卒業したライバーとは恐らく全く無関係、偶然の一致だとは思う。
だがもしかしてもしかしたら、先にこの曲が出ていて、数多の他人の一部を変えていたのなら、何かが違っていたのかもしれない。或いは「彼」がこうして殴り返す未来があったかもしれない。
でも、そうはならなかった。いつだって心の中のベニーは語り掛ける。ならなかったんだよ、ロック。
それでも、そんな無為なIFを考えずにはいられなかったし、もし別の何かが違ったら明日は我が身だ。我が身かもしれないではない、断定形としたい。
「彼」の話はここでお終いだが、それでも、と私は思うのだ。
無数の刃は我々1人1人がいつの間にか手に握っているものでもあって、ある者は握っていることすら忘れ、ある者は知らず知らずに誰かの喉元にそれを差し向けている。この曲はそれに気付かせるものかもしれない(し、そうでないかもしれない)。単なる私のイメージだが、そんなことも思った。
そして、全て全部何もかも分かった上でこんな曲を出して潜在株主達がグッピーやマンボウの如く軽率に死ぬ様を睥睨しつつ、笑って再来年の仕事もあると語る加賀美ハヤトという人物を、私は心底恐ろしいと思う。
直接的な力などではなく、「底が見えない」「理外の存在である」という感覚に起因する恐怖、或いは畏怖。
その鱗片を味わって尚、離れるどころかもっと見ていたいと思ってしまう。
外宇宙から来た異教の神を崇拝する者はこういう感覚なのかもしれない。本当はただの人間であると知っているからこそ、この感情の揺れ幅を楽しむコンテンツとして、加賀美ハヤトはやはり素晴らしいのだ。
※12/5 00:45追記
本日の社長の配信にて、「半分ぐらい訳せている」「他ライバーは関係無い」という旨の発言があった。
なので上記の私の感想は全くもって的外れである可能性はあるが、それはそれとしてあくまでファーストインプレッション、作者の本来の意図とは関係無く発生した個人的な印象或いは連想ゲームの結果としてこの文章を一応残しておく。
(補足するならば「彼」の件の根幹と社長が刺そうとした対象も厳密に言えばイコールではないと思っているが、「数多の他人」はそのどちらにも分化しうる存在でもあるし、幾ら社長が頑丈だろうが何が起きるか分からないから心しておかないとな、と勝手に拡大解釈しただけである)
今回最初に書き忘れたが、このサイトにおける感想文はあくまで「私(夕星)はこう思った、理由はこうである」という個人の短絡的妄想である。別の情報を見落としていたり別の発想が出来る可能性は充分にあるし、100%正答を目指すものでもない。
(そもそも社長は解釈をリスナーに委ねることが多いので正答が提示されるとも思っておらず、だからこそ可能性のひとつとしてこうなんじゃね?と語っているに過ぎない)
なので読者の皆様におかれましては、情緒のぶっ飛んだオタクを見ながら「今日もようペラが回っとるわ」と動物園の珍獣でも見るような眼で眺めて頂ければ幸い。なお、それちゃうやろーでもよく出来ましたでも、柵の中にマシュマロを投げ込まれると喜ぶので暇で仕方無い時など何卒宜しくお願い致します。
※追記ここまで
好きを仕事にするということ
改めて今年1年を振り返ってみると、これまでの活動を踏まえた上での活躍が多かったかなと思う。
基本的には積み重ねになるものだが、大々的に花開いたというよりは、かつて咲いた花が実を付けたような、一見穏やかながらも喜ばしいことが幾つもあったような、そんな気がする。
ひとつは遊戯王絡みのあれそれ。
元々遊戯王が好きと公言していた中、今年1月に『マスターデュエル』がリリース。オンラインで対戦が出来る環境とあってリスナーとキャッキャウフフする様子は楽しかったし、私もちょっとだけ触ってみて遊戯王がどんなものかほんの少しながら垣間見ることが出来た(ガエルバジェデッキ楽しいし可愛いよ餅ガエルちゃん1枚制限になっちゃったけど)。
でも一番楽しいのは同好の士と好き勝手語りながらの対戦だと思うので、それを「にじさんじバトルシティ」という形で具現化したのはとても良かったと思う。大会ではなく「いつでもふらっと訪れて誰とでも対戦が出来るカードショップのデュエルスペースのような場所」というのはカードゲーマーにとって理想郷だ。
実際初心者から熟練者まで、海外勢も含めた多くのライバーが遊びに来てルーム内のテーブルが幾つも埋まっている様子を見ただけでちょっと感動してしまった。
夏には悲しい出来事もあれど、高橋和希先生は最後まで子供の味方だった。今年改めて先生とKONAMIが生み出したゲームが長い年月と国境すらも超えて楽しまれているというのを実感したし、それはとても凄いことだと再認識した。
別の意味での名(迷?)作、『封印されし記憶』で改めて遊戯王となった社長は、その後Google案件ではじめしゃちょーとの共演を果たす。恐らく事前に相当打ち合わせていたのだろう(エクゾディア協力プレイのお陰かもしれない)、開幕から仲の良さを見せ、カード紹介や対戦も綺麗にまとめたのは流石の手腕だと思う。
そして11月には「遊戯王マスターデュエル祭」開催。KONAMI全面協力、12人のライバーが参加する大会は非常に思い出深いものとなった。
今回初めて遊戯王に触るという織姫星(星川サラ・山神カルタ・フミ)の3人は、本当に頑張って練習した上で遊戯王を楽しんでくれた。
ぶっちゃけた話、遊戯王は初めてプレイするカードゲームとしては向いていないと思う。マナの概念が無い上に所謂コンボカードが多く、1ターンの間にあまりにも大量に動けてしまうことが多い。その分初心者は何をしていいか分からない、相手が何をしているのか分かりにくいという印象だ。
(個人的には完全初心者ならデュエプレをオススメしたいところ。デジタル処理+マナ概念+相手ターンに行う行動が基本的には無い+シールドトリガーによる逆転要素+比較的カード効果がシンプル+レンタルデッキあり、が初めてでも分かりやすく始めやすいかなと思う)
だがそれでも織姫星はやしきずの初心者講座の後、それぞれに先生(加賀美社長・エアル王子・オリバー教授)を呼んで指導してもらい、自分のデッキを回せるようになった。本番では手札事故やプレミこそあれ、1回以上は勝利した(しかも綺麗に自分のデッキの勝ち筋を掴んだ)というのは、初めて10日程の初心者にしては大変上出来だったと思う。終了後の師弟打ち上げ会も思いっ切り笑わせてもらった。
今回の大会はプロモーション案件であり、主目的は恐らくマスターデュエルのプレイヤー増加である。
その中でも織姫星を参加させた理由は新規プレイヤーを増やしたかったからだろう。その為にわざわざハンデありのルールを作り、初心者講座も行った。
だが正直なところ、本人達が乗り気でなければここまでの行動と熱量は無かったと思う。そして同時に、それをサポートする姿勢が恐らく運営側・ライバー側双方にあったからこその企画の成功だったのではないか。
今回のルール制定には社長とやしきずが関与していると語られた時点でダブスリ好きの自分は泣きそうなぐらい嬉しかったのだが、その社長が「運営さんも乗り気」と言っていただけのことはあったなと思う。
配布される構築デッキの選定理由や内容が若干疑問な点、運営が台本を用意したらしい初心者講座の内容、本番当日にスタジオ組の機材に一部トラブルがあった点は改善の余地はあれど、それ以外に大きな問題や滞りも無かったように思う、とても良い大会だった。
ちなみに今回、最も良いなと思ったルールは敗者復活戦。BO1はどうしても運の要素が強くなりがちだが、違う人と再戦という形でワンチャンスが与えられるのは非常に良かったと思う。そこから上位に食い込んだ選手もいたりと盛り上がりにも寄与した。
また、熟練者同士は封印デッキというのも良かったと思う。何だかんだでデッキも程良くばらけ、容赦無い上位勢のバトルがどんなものかを見るのもまた大会の醍醐味のひとつではないかと思う(大変な事故もあったがそれもまた一興)。
カードゲームに初心者が入って来るのはハードルが高い。
カードゲーマー程これをよく知っているだろう。ゲームの特性的にもプレイヤーの性質的にも、貶す意図は無いのだがどうしたって「そういうもの」なのだ。
だからこそ新規参入者を古参は歓迎する。ましてやその初心者が「楽しい!」と言ってのめり込んでくれたなら、これほど嬉しいことは無いだろう。
本戦後、サラちゃんからの言葉に社長が泣きかけたが多分それは本当のことだと思う。代わりにこっちが泣きそうになった。
社長はカードゲームが好きだ。それはもう語るまでもない。そしてそれがひとつの成就を見せたのが2022年11月だった。
ここまで遊戯王を取り上げたが、大会と同時期にデュエプレでは第3回にじさんじコラボが開催された上にグランドマスター決定戦で実況をし、MtGの公式案件配信に出てバーチャル化したプロと戦った。カードゲーム案件三種競技(トライアスロン)はなかなか見れるものではないだろう。
それを走る最中、社長は「大会実況のやり方がようやく分かった」とも語っている。
もう既に昨年のスプラ大会実況でその鱗片は見えていたが、デュエプレ公式大会の実況や今回の遊戯王大会の裏配信を経る中で本人も実感を得たというのはとても喜ばしい。
好きが仕事になり、その成果が形となる。こうして得た実はまた新たな種となり次の花を咲かせるのだろう。
そんな様子を見るのはファン冥利に尽きる。そう思った秋だった。
ちなみに。KONAMIさん案件でもうひとつ、「にじさんじ甲子園」について。
去年の優勝を経て今年も参戦、育成配信中に夏甲子園優勝と感動させてくれた、という話は一旦さておき。
『Flying High』歌ってみた公開と、2021年覇者 vs 2022年覇者という大勝負が実現出来た、ということを語っておかねばならない。
まず去年のにじ甲の優勝賞品である「パワプロの新作に何らかの形で登場する権利」がこの歌だった訳だが、こういう形で登場するとは正直思っていなかった。過去だと2020年に優勝したにじさんじ高校が椎名監督のパワター+固有モーションだったので、まぁそれに準じるかワンチャン学校名や所属選手の読み上げ音声追加とかかなと思っていた。
しかし実際はどうやらパワプロ側と自由に相談だったらしく、お出しされたのがコレである。しっかりゲーム内で使用可能、そして歌ってみた音源配布に伴う実質的なサンプルにもなっている。
この距離感、大変適切だと思っている。もしこれが例えば(恐れ多くも)オープニングテーマへの採用だと、歴史が長く名曲揃いゲームタイトルなので反感を持つ人も出るかもしれない。だがゲーム内で任意に使える曲ならば欲しい人だけ手に入れればいい。
結果的ににじ甲の育成配信をする監督達が「何かご利益があるかもしれない」とこの曲を掛け始めたり、社長本人がこの曲をバックに甲子園を勝ち上がったり、準備配信や本戦でもBGMとして使われ盛り上げに一役買ったりと、度々この夏を彩ってくれたのはとても嬉しい。
そして優勝校同士が激突するエキシビションマッチは、東京ゲームショウ(TGS)という舞台もあってKONAMIさんのこの企画に対する期待を感じた。
そもそも栄冠ナイン3年縛り+NPC対戦というにじ甲ルールは、本来想定されているパワプロの遊び方から若干外れるものだ。栄冠ナインはもっと年数を掛けて野球部を強くしていくゲームであり、試合をやるにしても普通はバッター操作は人間がプレイするものだし、自動試合をやるならペナントの方だろう。
最初はたかが数名のライバーのお遊びから、公式公認企画となり、遂にはTGSのステージイベントとして抜擢された甲子園企画。単純に会場や配信の盛り上げ役としてライバーを起用するのではなく、「この企画は丸ごとゲーム業界の内外に向けて発信出来るものである、これは広報になり得る」と自信を持って送り出された……と言うと大仰かもしれないが、そういう位置付けになったことと、そこに推しが関われたということがとにかく喜ばしかった。
試合結果は今年度の出来栄えの良さを実感するものだったが、本戦で振るわなかったニュイの確定ホームランが見れただけで満足というか、加賀美実業の本当の、そして最高の幕の閉まり方だったなと思う。
Flying Highの歌詞のように「予測不可能なスリル」があるからこそ「目の前で生まれる奇跡」に感動する。それこそがにじさんじ甲子園の醍醐味なのだと思う。
来年の夏も同企画があるか分からないが、もし開催されるならば社長が監督に就任しようが次は選手になろうが、また手に汗を握って応援するだろう。その時のにじさんじがどんな風になっているか楽しみでもある。
なお社長の誕生日配信では更にまだ好きが繋がった仕事があると言われていて、喜ばしいにも程がある。
好きなことを仕事にするのは大変だ。通例として仕事にするなと言われがちだし、実際に仕事にすると素直に楽しめなくなる場合もあろう。何なら仕事にしなくても、好きなことを続けることだって割と大変なのだ。『虹色のPuddle』でだってそう歌っている。
だからこそ、それが出来る人材は強いのだと思うし、そういう人物を尊敬する。
だからこそ、もっともっと社長が好きなことが出来たらいいなと思うのだ。
コラボあれこれの話
今年の社長は割と外向きな活動が多かったように思う。
APEXの大会に出たり凸待ちや逆凸に出たりと、これまで接点の無い・少ない人との交流も結構あった。
特に印象的なのは、やはり社築&花畑チャイカとの3人コラボ《雑キープ/That's Keep.》。
元々仲が良かった3人が月例コラボを始め、コラボ名も付いたのはファンとしては喜ばしいところ。前述のMtG案件配信ではこの3人で出演と、本家側にも認知されているというのもまた良い。
同期との絡みともまた違う、同性同年代(チャイちゃんは2人に合わせてくれているものとする)のノリは大変聞いていて心地良い。
しっかりお互いの手の内が分かっている感じがあったり、誰か1人欠けている時も名前を出す頻度が高かったりと、はちゃめちゃに仲が良い様子は見ていて大変笑顔になる。
ちなみにノーマリガン及び雑キープには「この手札で何とかなるやろ!」という緩さと信頼と若干の不安を内包している辺り、この3人に実に合った名だと思っている(不安については何かやらかすかもというよりは「思いもよらないことを起こすのでは」という予想外への期待と言ってもいいかもしれない)。
そして名前を付けるタイミングと、社長が歌謡祭初日をひたすら期待させている辺り、まぁ恐らくそういうことだろう(やしきずは初日のみ出演)。
VJC名古屋は最高のステージだった為、またこのトリオの歌が聞けるのなら大変に楽しみである。
また、炎の魔女・おニュイとの縁も深まっているのが個人的には喜ばしいポイント。
これまでも少しずつ接点はあったのだが、デュエットの後スプラ大会やオリジナルカードゲーム作りと立て続けにコラボがあり、特に雑キープ+ニュイでのスプラは大変良かった。
基本的に社長は配信する時はちゃんとしようとするのだが、スプラコラボの際は朝8時稼働+デュエプレ公式大会を6時間実況+深夜1時半に配信スタートということもあって本人曰くかなり脳死会話だったらしい。が、仲良し同士のほのぼのとした楽しい空気が終始続いており、こんなハードスケジュールではない時に是非またやってほしいと思うところ。
ちなみにおニュイの離席中に10倍マッチが始まり、戻った後10倍だと教えられる→私を騙そうとしてるのかと思った→騙せばよかったという下りが何か好き。
今年は海外勢との接点も多かった。
前述の遊戯王バトルシティでは多くの海外勢と対戦を行ったが、ロゼミちゃんとの「カワイイデッキvsブサイク(虫)デッキ」のパッション英語デュエルが印象的。
にじ甲で「彼はデスボイスが出ます」とドラフトしたアイクさんとは実はデュエット曲が進行されており、実際に日英デスボイスコラボが実現。MIXも彼が担当したとあって、振り返り配信でその作業内容を垣間見せてくれている。社長の素の音源が聞けるので要チェック。
更にその後ユーゴさん主催の英語伝言ゲームにも参加。他のJP勢は四季凪君とスハ君(元KR)という「あれ君達英語出来るよね?」という面々だったが、テーマがビジネス英語とあって寧ろEN勢も困惑するという大波乱。クソザコイングリッシュの社長はどうなってしまうのか……?! そして最後にぶっこまれる衝撃のミームとは……?!という楽しい場なので是非ご覧頂きたい。
他に直接会話があった訳ではないが、スプラ大会中にチーム分けミスで一瞬社長がENチームに入ったがすぐ解散した際にVOX氏が残念がったり、前述のアイクさんとの曲の公開時にEN勢が盛り上がっていたりとちょっとした接点が出来つつある。
社長も振り返りでEN勢の空気や海外リスナーへのアプローチにも触れているし、更にアイクさんとの曲はもう1曲あるとあって、今後の繋がりがあったらいいなぁと期待してしまうところ。
社長の魅力が海外にも広がること、様々な要素に触れた社長がまた良い物を見せてくれること、どちらもファンとして嬉しいことであるのでワクワクしている。
コラボとは若干違うかもしれないが、FANTASIAも良い機会だったかなと思う。
プロセカによるやしきずの覚醒、社長がにじさんじに入った頃から縁のある卯月コウとの共演、個人的には注目株だったシェリン・バーガンディへの称賛、こちらも長らく縁のあるかなかな(叶)やアッキーナ(三枝明那)との信頼感。それ以外の人とも長い練習時間を掛けただけの物語があったろう。
そうした関係性だけでなく、ライブ熟練者として社長が広く信頼されていること、社長もまた周囲に貢献していることを実感出来ているのは、仕事をする上で非常に良いことだと思う。勿論ライブそのものも大変良く、散々に感動したので詳しくは過去記事を参照してほしい。
なおコラボというかユニット活動として、1周年を迎えたROF-MAOも絶好調のように見える。
ライブの後に連れ去り外ロケはまぁ賛否両論あるし本人も大変だったと言ってはいるが、楽しかったというのもまた事実だろう。
というか少なくとも加賀美ハヤトに関しては、概ね何でも楽しそうにしているのでそこはあまり不安ではない。
「好きと嫌いに嘘をつかない」と言ってはいるがどちらかというと「嘘をつけない」が正しい人ではないかなと思うし、かなり好奇心旺盛で一般人が物怖じしそうな所に足を踏み込む度胸もあるし、最悪つまらなくても面白くさせようという気概が見える。(もしも本当にダメだった時は烈火のツッコミが入るという安心感もある)
今年の大型企画としてろふまお農場が行われているが、社長の初対面の人に対する話し方(具体的には「おとうさん」)にあそこまで破壊力があるとは思わなかった。あの取材許可取りが見れただけでもう充分満足と言えるぐらいだ(早い)。
だが実際はもっともっと普段は体験しないことを体験していて、社長自身の糧になっているのならば、やはりとても嬉しいと思う。「普通のライバー活動どころか普通の人生ではなかなか経験出来ないことが出来る」というのがろふまおというユニットの特徴にして利点だと思う。
ライブステージにおいてもバク転をしてみたり強電流を食らったり(それに耐えたり)と、こちらの想像を超えたことをやっているのは良い刺激になるのではないか。
非常に過酷な部分もあるだろうし怪我等あると勿論良くないのだが、それは先方も重々承知しているだろうし本人の自己管理能力や頑丈さを信じている。
ウルトラマンに意識を持って行かれがちだが泥酔回でも、確かの他の場でも「個人が4人ではなくROF-MAOであること」について社長は語っていて、それだけ思いも時間も体力も掛けている以上、応援するに決まっているじゃないかと思っている。1年前も同じことを語ったが、この1年見てきた中でそれは間違っていなかったと感じる。
ちなみにろふまお1周年のスタンプラリーにも行ってきたが楽しかった。(後程簡単なレポを上げるかもしれない)
簡単にだけ触れると、社長の字を前にして実在感を得たり、ファンって実在するんだと実感したり、スタッフのコメントにこういうのもっと頂戴と思ったり、応援広告を見て日常の中に社長が居るの良いなと感じたり。
画面の中の社長を長らく見て来たが、オフで見るのは違うなと思ったりした。
最後に忘れてはいけない、いつも仲良し同期のSMC組について。
今年の最注目配信はやはり3周年記念ライブ。トリオ曲は勿論、ソロ曲や全組み合わせでのデュエット曲もあり満足感が高い。合間では記念グッズで遊んだり社長がタメ口を強要されたりオリジナル曲とアニメMVの制作が発表されたりと情報も豊富。
どれも可愛い&カッコイイ曲ばかりなのだが、社長の『ミッドナイトクローラー』は個人的には最上位クラスのカッコよさを誇っている。歌声は勿論歌い出しの動きといい表情といい懐かしのステージといいモーショングラフィックスといい、ライブステージとしての総合的な出来栄えが本当に良い。
にじさんじで一番カッコよくマイクスタンドをぶん回す男(私の中で)だしもっと見てぇ~!!!と思ってしまうので今後のライブに大変期待している。
また、夜見さんとのバイオハザード7実況は3人での最終回を迎えたが、新しく葉加瀬さんとの栄冠ナインがスタート。夜見さんは選手で登場し、見る目の無いスカウトに対して「夜見(さん)の良い所が何にも分かってない」と文句を言う辺り同期大好きっぷりが垣間見えている。
3人で社長の玩具工場へ肝試しはビビり2人の悲鳴と社長の笑い声がよく響いていてこれもまた面白かった。勝手にどんどん適当な設定が生えて来るの最高に好き。
そして来る12月25日には3人がサンタさんになってくれるらしい。どこまでもファンを喜ばせるのが上手な3人が来年はどんな幸せ空間を作ってくれるのか楽しみが尽きない。
そうそう、そんな3人と良く似た人達が4月1日に出現したらしい。こちらも“次”はどうなるかこっそり期待している。
そしてその先へ
正直社長の誕生日を迎えるまで、私はこの1年は「微増の年」だと思っていた。
過去の社長を下支えとして、確実に1歩2歩と前に進んだ年。けれど特別大きく跳躍したとは言えないかなと思っていた。
だが社長の誕生日配信を聞き、『22』を聞き、その印象はやや変わる。
多分2022年は助走の最終段階だ。これまでも結構我儘してきた男が本気で好き勝手をしたら、そりゃもう大変なことになる筈である。その為の準備をしてきたのではないか。
あれは7月の終わりの頃、黛灰がにじさんじを去る2日前、初めて社長とサシでのコラボがあった。
黛なりの禊も最後に残した言葉もそのまま受け止めるつもりだが、それ以外に私の中に引っかかっていたことが2つある。
社長が呟いた「私のリスナーは苦労してきたかもしれない」と。
黛の「ハヤトさんにはやりたいことはもう無いのかと思った」に対する笑みと沈黙。
前者について、思い当たる節は多々ある。それにこういう内容を普段言わないのに加えて、社長の声が割と聞いたことが無い部類だったので動揺したし気に留まった。だがそれでいてどこか、他人事めいた節も自嘲めいた節もあるとどういう訳か感じた。
後から思えば、社長はリスナーを個々の人間の集まりでありながら天候のような自然事象とも捉えているので、苦労したと訴える人が居れば「そっかぁ苦労したのかぁ」とそれを認めるだろうし、認めた上で「でも私はこうするので」と方向を定めただろう。リスナーに対する要望すらも滅多に言わないのは、言ったところで意味が無いと思っているのかもしれない。だがその一方で「ニュアンス」はたまに出している……ようにも思う。
リスナー全員を満足させることなど出来ない以上、それは配信者として間違っていないと思う。周囲に変わることを求めるよりも、周囲の様子を見ながら自分の行動を調整するタイプだと思っている。
前述の「リスナー個々に考えさせている」という方針が現在も明確かは不明(私はそうだと思っているが明言は多分していないので気の所為かもしれない)し、それを求めるには少々リスナーに期待を持ち過ぎかもしれない。だが何も言わずに上手くいくならその方がいいのだろうと思う。
後者については、反論せんのかーいと思ったのだが、逆にそれこそが答えと考えるべきだろうか。所謂「答えは沈黙」である。
社長はたまにリスナーに何かあるのかと問われて「……ふっw」とだけ笑って返す(本当は予定しているが詳細は何も言わない)のをやっているが、アレではないか。そんな気がしていた。或いは「どちらと取って頂いても結構ですよ」と解釈を委ねる方かもしれない。関係があるかは不明だがろふまお塾の粘土回で「沈黙は金」の像を作る程度には、その意識は心にあるのだと思う。
だから少なくとも、この指摘は反論しない程度に問題視していない。
ということは逆説的に「やりたいことはある」のではないかと推測する。「自分の中にはあるけど、黛さんからは無いように見えたんだな」みたいな余裕もあったのかもしれない。
だがその一方で、「やりたいことが無い」もまた答えだったのかもしれない。2021年と2022年前半に関しては動きが控えめだった、というより2020年にやりたいことを概ねやってしまったのではないか。だから黛の発言を否定もしなかったのではないか。「今はあるけど前は無かった」という意味で正解だったのかもしれない。
こちらにも見える範疇で言えば、7月末ということはろふまお畑が絶賛進行中で、自らオーディションに挑む形式だった『Lie:verse Liars』の情報公開が始まったばかりだった頃だ。他に裏でどんなにチャレンジングなことをやっていても情報公開をしてはいけないので、そもそも口を閉ざすしかなかった可能性も充分考えられる。
一方でどこまで自分でやりたいことかは分からない。誕生日配信では求められる仕事をやったと言っている通り、自分のやりたいことは控えめにしていたのかもしれない。「やりたいことはあったがやれなかった」可能性もまたある。運営的に無理だったかもしれないし、諸々を考慮して自制していたものもあるかもしれない。
だが31歳の加賀美ハヤトはもっと我儘になるという。
これが黛の会話を経てそうなったのか、全く何の関係も無いのかは分からない。単にスケジュール上このタイミングになっただけかもしれないし、心情を変える別の何かがあったのかもしれない。
しかしどちらにしろそれを見る側としては、未知に対する少しの不安と、今以上に我儘になったらどうなってしまうのかという畏怖と、我儘をしても問題無いと判断した心境への感慨と、あらん限りの期待を抱えている。
31歳の加賀美ハヤトは私の望むものであるのか。それは私にも分からない。
少なくともその最初の3日間はブラボーと拍手を送りたいものだった。これがこのままずっと続くかもしれないし、いつか心が離れる時が来るかもしれない。それは当然のことだ。
だが少なくとも、その日が来るまでは社長のことを見ていたいと思うし、心動かされることがあればこうして拙くとも言葉を紡いだり何やかやしたいなと思っている(色々サボっているのは大変申し訳無い)。
悲しいことも辛いことも悔しいこともあった。それでも造花は美しくあろうとした。私はそれを知っている。
失敗も間違いもあった。それでも熱は冷めなかった。私はそれを実感している。
人も世界も変化する。それは当たり前のことだ。そこで振る舞う人を見て、人は感動する。
良い意味に限らず、感情を動かされる。だからこそ良い。仮にマイナスな方向に針が振れたとて、それはカタルシスの下準備かもしれないし、そのまま悲劇で終わるのもまた良かろう。Vtuberとはそんな予測不能なエンターテイメントだと思っている。
だからきっと今年も加賀美ハヤトとにじさんじを見る。
次は何をしてくれるのだろう、何をしでかしてくれるのだろうと思いながら。
この1年、とても感動したし楽しかった。社長のチャレンジを目の当たりにする度にドキドキした。
きっと次の1年もそうなるだろう。そう思えることを何よりも喜ばしく思うし、そうなってほしいと思う。
誕生日おめでとう、社長。これまで生きていてくれてありがとう。
貴方と、そこから生み出されるあれこれに称賛を送ります。
どうかまた来年も同じことを言わせてほしい。言わせてくれると信じているし、祈っている。
そしてどうか貴方と貴方の愛する人達が健康で、幸せでありますように。
2022/12/04 夕星