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 プロフィール・説明Twitterマシュマロ

 いやー良かった。大変良かった。
 早くも公演から2週間が経とうとしている訳ですが、ようやく完成しました『にじさんじ 4th Anniversary LIVE「FANTASIA」Day2』(以下FANTASIA)の感想記事でございます。
 ……もうタイムシフトも残り時間僅かって嘘だろ。もっと見たいんだが!

 今回は社長の歌ってる曲だけピックアップします(※大分分量に差があります)が、他の曲も大変良かったので出来れば全部聞いてほしいところ。
 特に無料パートのウヅコウの『脱法ロック』は全員聞け。そっからのロストワンへの流れが神過ぎる。
 有料パートだとベストぶっ刺さりはシェリンさんの『爆笑』かな。音圧お化けに「ガッハッハ」って笑い方が似合わない筈がねぇ。
 未だに情緒がぶっ壊されているのでいつにも増して乱文ですが「オタクがよう狂っとる」とお楽しみ頂ければ幸い。
 
 参考資料:にじさんじ非公式WikiのFANTASIAまとめページ(各振り返り配信のリンクもこちらから)

1.虹色のPaddle

 Day1がVtLで始まりWNLで終わったってことは~?と選曲自体は予想出来ていたものの、最初か最初か分からなかったところで初っ端にぶち込まれたパドル。
 社長を追ってると割とお馴染みの曲でして、リリース時点で参加しているだけではなく、去年のにじフェス前夜祭で作詞作曲のFLOWさんとまさかの共演をして歌っています。あれも楽しかったね。
 この曲の見せ場のひとつがラップパートなんですが、シェリンさんからの社長の入りがドエラくカッケェしテンション上がってんねぇ!という気持ちにさせられます。男共によるフローの繋ぎ堪んねぇなオイ。

「好きなこと続けるのって楽しいだけじゃない」という歌詞はリスナー達は勿論、ライバー側にも通ずるものだと思うところ。
 そりゃもう大変。恐らくリスナーの思う何倍も大変なんだろうなと思います。だからこそ「好きなことを好きと言える君が眩しいよ」な訳で。
「好きなことしかやってない」と何かの折に社長が恐縮する度に「そうは言っても、好きなことをやる為に裏で滅茶苦茶頑張ってるんだろ?」という気持ちと「それでええ……!」「そんな加賀美ハヤトがいいッ!!」という気持ちを抱く身としては、やっぱ良い曲だなぁと毎回思う訳なのです。

 今回8人という結構な大所帯でフォーメーションも大変だったと思うんですが、その分カチッと決まると大変カッコイイですよね。
 更に統一衣装で、煌びやかで、それでいて個性があって、1人ちっちゃいウヅコウが何か可愛くて……という目も耳も賑やかで楽しいオープニングナンバー。めっちゃ良かった。

2.ロストワンの号哭

 この曲の為にこの記事を書いていると言っても過言ではない。そんな力と熱があった。
 もうね、最悪チケット買わなくてもいいから聞いてほしい。これが無料ってマジかよと思うし、これが期間限定で消えるのは世界の損失なのでは?と思うぐらいの1曲。
 ダブルスリーブ(社長とやしきず)がこの曲を歌う。しかもあの熱量で。その意味を語らせてくれ。

 まず曲中でも言ってますが、ダブスリは今年で31歳になる、にじさんじ(の年齢がはっきりしている人間)では2番目と3番目に年上な人達です(1番上は舞元さん)。周囲からも「大人」として見られていて、その役割を要求されがち。
 お互いに「尊敬しているから」という理由で敬語を使い、福袋開封をして「大人になるって楽しいよ」と言ってみせ、コンビ名の第一候補が「コンプライアンズ」だったぐらいにはクリーンな振る舞いをして、案件も多く受けている2人です。
 ただその一方で「子供」な面もあり、玩具で遊びまくったり仲良く煽り合ったりする間柄。
 そんな大人と子供、両方の心を持つ2人が向き合う『ロストワンの号哭』という曲、まぁ重い。

 重いリズム隊と激しいギターのメロディーが印象的なこのボカロ曲、2013年公開の名曲でしてプロセカ収録済みということでやしきずには当然お馴染み、社長も多分知ってるでしょう。なんせ疎い私でも前に聞いたことあったぐらいだし。
 で、歌詞を見てもらうと分かるんですが、「安寧ながらも苦しい僕」が「首輪をされたあの子」に対してどうにかしたいともがき、訴える曲です。

 これね、多分学生や学生を経験した人なら分かると思うんですよ。
 平和なのにそれが息苦しい。あるいは、苦難の中から逃げ出せない。逃げ出せない人を見かけても助ける術を持たない。それは親だったり、周りの生徒だったり、先生だったり、自分自身によるもので、授業で習うお勉強じゃ解決出来ない。
 思えば社長がピアスを開けた理由が「高校時代に平和な日常に退屈したから(意訳)」な辺り、え~ドンピシャか~?と思う訳でして。
 そんな曲を大人になった人達が歌うとどうなるか。答え、ヤバイ。もう本当にヤバかった。

 直前の『脱法ロック』のお陰で社長は開幕からブチ上がっちゃってて、やしきずも吼えて、もうその時点でグッド!と言いたい。
 やしきずの振り返り配信曰く「2人で眼も合わせずにステージに上がった」って言ってて心臓壊れるかと思った。眼を合わせてから向かうとバディ感増し増しで素敵ですが、逆に眼を合わせないってのはお互いへの信頼なのか緊張なのかテンション上がりすぎてステージや客席の方しか見ていないのかと想像が加速しました。
 ちなみにどっかの雑談で社長が緊張した時の対処方法を訊かれて(別のライブで)バンドメンバーさんに胸を拳でトンッてされてカッケェ!ってなった話に情緒をかき乱されたんですけど、今回はやしきずとウヅコウでお互いの拳トンッてしてたらしく、心臓止まった。何かあっても何か無くてもオタクすぐ死ぬ。

 眼を合わせない情報を踏まえると背中合わせ(歌ってない方が客席に背中向ける)Aメロの歌い方がまたグオオォォォ!ってなるしそうじゃなくてもシンプルカッコイイ。
 社長は表情から声から治安が悪い上にセクスィーだし今日もよう足が開いてるし、やしきずはまだ甘めの声してるか?と思ってると社長に引っ張られるように物騒になっていくし。「悲しいって言うんだ 淋しいって言うんだ」の最後の音の上擦り方、ライブならではのボルテージの上がり方を感じて好き。
 そしてAサビの印象的なフレーズ「おい誰なんだよ」「おいどうすんだよ」のぶつけ方がもう凄い。社長はシャウトが出る喉なんだからそりゃ強いんだけど、訴えかける力が半端無い。そこからの「もうどうだっていいや」は嘆きであると共に確かに結構皮肉がちというか嘲笑的なニュアンスもあって、そこは曲に沿ってる感。

 で、間奏部なんですが。
「大人になった我々だからこそ歌わせてほしい」と社長が叫び、「夢を忘れた大人も、夢いっぱいのガキ共も、歌え!」とやしきずが煽る。
 良い。(噛み締め)
 前述の通り、やしきずは乱暴な言葉を使わない……とうか正確には、多分使わないように気を遣ってる傾向があるかなと思います。それこそプロセカ配信とかだと若い子も見に来るし、コンプラが大事だと分かってる。実は本質的には恐らくお口わるわる族(ゲームキャラには露骨だったり同僚にも割とズバッと言う時は言う)だけども、きちんとTPOを踏まえている。
 そんな人が所属事務所の周年イベントのステージで、熱に当てられるがままこういうこと言っちゃう。

 最高だ。
 取り繕った美しいお芝居もいいんですけど、剥き出しの感情もまた熱があるんですよ。しかもその言葉を向けてるのが「夢いっぱいのガキ共」。
 この曲自体は前述の通り苦しい子供が主人公。大人は問いかけを向けられる立場だし、本当にキラキラしてて毎日楽しい子も多分直接的なターゲットではないんですよね。でも今回はそんな人達も引き摺り込もうとするの、実に良いと思います。それに夢いっぱいのガキ共も、すぐ近くに居るそうでないガキを見ているであろうからこそ、この曲がこれ程人気なのかなとも思いますし。
 或いは、苦しい子供にも夢はあるかもしれない。だからどんな子も歌え、と。まぁ本人はここまで深いこと考えてないと思いますが、咄嗟に出た言葉が本質だったりするの、稀によくあるからね。
「我々もお前らも部外者じゃねーぞ」と胸倉掴んで脅しに掛かるかのような物騒さ、堪らなく好きです。
 ちなみに振り返り配信で社長が「社さんなら応えてくれると思った」「ガキ共って言った時によっしゃあ!って思った」(意訳)って言ってて、私は天を仰ぎました。熱で浮ついたように見えて策士である。これがステージ慣れか。

 続きまして、一旦静かになってからの社長の「匿っていたんだ」で白米3杯はいける。
 2人向かい合って体勢落としての「消えたいって言うんだ 死にたいって言うんだ」からのドローンカメラ、はいもう天才。画面の前更に熱狂。
 最後の盛り上がりでどんどん畳みかけが強くなっていって、「おいどうすんだよ」が叫ぶようになっていって、ラスサビ。
「子供の時の夢は言えますか」の社長の崩れ方が逆に切実さを感じるし、「その夢すら溝どぶに捨てたのは おい誰なんだよ もう知ってんだろ」がねぇ……もうヤバイ。
 向かい合っての社長の歩み寄り方が完全に喧嘩売りに行くヤカラじみてた。あっこれ神室町とかで見たことあるぅ……と一瞬現実逃避するぐらいの力があった。そこからの怒声の応酬。もう歌じゃなくてマジで叫んでる。
 もっかい前述のダブスリのことを見てくれ、その2人が吼え合うんだぜ? 最高だろ?
 
 そこからの「いつになりゃ大人になれますか そもそも大人とは一体全体何ですか どなたに伺えばいいんですか」ですよ。こんな皮肉があっていいのか。
 社長は大人で子供なんですが、おバカアモアスの時に「好きで大人になったと思うな!」って言ってて、あ~~もう~~!って感極まってました。
「おいどうすんだよ」も叫んでるし、ラストの「もうどうだっていいや」は全力も全力。

 ただね、この「どうだっていいや」、原曲を普通に捉えたら諦観だと思うんですよね。
 どうにもできないからこのままでいいや、何もしなくていいや、どうせ何も変えられないやという諦め。これまで私、この曲をそういう風に捉えてた。
 でもダブスリにこれほどまでに強く歌われて、この2人だったらどうだろうと考えた時、「もう(自分は)どうなってもいいから、この苦しい現状をぶち壊してやる、それが出来る大人になってやる」じゃないかなぁと思った訳なんですね。正しくは、そう思いたい。
 大人とはどうやったらなれるのか、大人とは何か。誰かに質問しても答えが出ないならば、俺達が考えた「大人」を見せてやる。
 これまでそう思わせるだけのことをしてきた2人が歌うと、そりゃもう“強い”に決まってる訳です。

 更に思考を飛躍させるなら、このにじフェスをやる前に社長が『ロストジャッジメント』というゲームの実況プレイをしていまして。「キムタクが如く」などと呼ばれることもある、龍が如くスタジオによる探偵・弁護士ゲームの2作目です。
 そのメインテーマが「いじめ」なんですけど、作中で「それまで見て見ぬふりしてきた周囲の誰かが声を上げればいじめを止められるかもしれない」「最初の1人(=ファーストペンギン)が動けば、後から続く人が現れやすい」という話が提示されます。
 ロストワンの号哭の「ロストワン」とはそもそも「いない人・迷子・物陰にじっと隠れて潜む人」みたいな意味でして。「僕」と「あの子」、両方なのかどちらかなのかはどうとも解釈出来るんですけども。
 ロストワンである「僕」が「このまんまでいいんですか」と嘆く、或いはロストワンな「あの子」の為に「おいどうすんだよ」と叫ぶ文脈に、ダブスリからの「大人もガキ共も歌え」という熱が乗っかると。
 ファーストペンギンとして飛び出せよ、そうしたら何か変えられるかもしれない――というメッセージ性も載せられそうだなと思った次第です。
 本人らはそこまで言ってないのであくまで私の思想なんだけども、もしそんなシーンにぶち当たったら、心の中でこの歌を流しながら一歩踏み出したい。そんな動力じみた“熱”を持ってたなと、そう感じました。

 ちなみに問題のアウトロ。
 原曲も聞いた上で、社長とやしきず双方の話をまとめるとこうなります。
 ↓
・元々16小節あるメロディーの内、8小節終了時点で社長が客席を煽る。
・一方ドラム、そこで終わりだと思い「デンデンデケデケ」のリズムを叩いてしまうが、恐らく直後に気付いて元の進行に修正(他の楽器隊は勿論そのまま続行)。
・このドラムによりやしきずは「本来ここで最後のアウトロに入る筈が、間違えて8小節多く弾いている」と思い込み困惑。「どうしようハヤトくん!」とこはねちゃん化。
・一方社長、ドラムに自分の熱が伝染した(ミスはその所為)と直感。テンションが上がってシャウトする。
・そのシャウトを聞いて、長くなった間を社長が咄嗟に埋めてくれたと思ったやしきず、感激。テンションが上がる。
・シャウトしている社長、ここがライブハウスではなくFANTASIAだと我に返ってシャウトが短くなる。
・テンションが上がったままのやしきずもシャウトする。

 …………何だこのエモくて面白いすれ違い。
 やしきずがわたわたしてる横で社長が冷静と情熱の狭間みたいなことをやってる辺り、本当に場慣れの差を感じる。同時にそんな事情を何も知らなければ生演奏ならではのライブアレンジ+シャウト合わせという最高に盛り上がる展開だったの、ライブって良いよねおじさんになるしかない。ライブって良いよね。
 ちなみに私も真相が語られるまで「シャウト滅茶苦茶カッケェけどなんか短くね? 社長なら全然もっといけるよな?」と思ってたんだけどもまさかこんなことになっていたとはな。本番ならではの面白み凄い。

 ちなみにこの直後に2人でMCやってるんだけども、本当に想定外の盛り上がり方しちゃったんだなと察することが出来るぐらいの声と息切れしてるやしきずと、流石に多少は息が乱れつつもすぐさま押さえ込んでほぼ平常モードにしてる社長の差もまた良きでした。(※社長は以前「息切れしないの?」と問われて「マイクになるべく息が入らないような呼吸をしている」と返答したことがある。何だその技術)
 音ゲーゴリラと歌ゴリラの並び最高かよ。いいぞもっとやれ。
 でも流石に有料の圧には勝てないのでみんなネットチケットを買おう。

3.それじゃあバイバイ

 元・27歳ランク帯(既に30歳的な意味で)での久々の歌。
 ドラマ『ショムニ』のオープニングテーマなんですが、「聞いたことあるけど何だっけなーこれ」「なんで脚立……?」ってリアタイ時になってました(初見はコメント非表示派)。真っ直ぐ縦に肩に担いで横一列で歩いてくれたら分かったかもしれないのに……!

 ショムニ、社長と同年代の私もちょこっとしか記憶が残ってない。見たことあるし何なら好きだった方という感覚はあるんですが、エピソードとか頭から抜け落ちてるし(例の脚立と、森本レオさんが猫撫でてるシーンしか映像の記憶が無い)どのシーズンなのか、本放送なのか再放送なのかすら定かではないという作品なのでここでちょっと触れておきます。「その頃生まれてない」とかコメントするのはやめろ。
 都内の中堅商社「満帆商事株式会社」の総務部庶務二課(通称ショムニ)。そこに所属するOL6人が、他の社員からは揶揄されたり煙たがられながらも自らの欲望のまま好き勝手に動いた結果、会社にとって良い結果を生むというのが主な筋書き。語弊を恐れずに言うならば『相棒』のOL版かなぁ。
 江角マキコさん演じる主人公が脚立を担いで社内を闊歩するのが定番のシーンでして、これがまた凛としててカッコイイんだ。
 それが今回のライブにも取り込まれているんですが、3Dで脚立の登場は初かな?「ショムニやりたいんで脚立作ってくれませんか」と言われた時の3D班の顔が見てみたい。「ショムニって何スか?」なのか「いいですね!やりましょう!」なのか気になる。

 さて曲の方はというと、これまた実に合ってるんですよ歌詞が。ドラマとアラサー共に。
 ざっくり言うと「他人なんて気にせずに自分らしく生きましょう」って内容なんですが、まぁこの人達ね、好きなことして生きてる人達代表みたいなところあるから。
 勿論1曲目で挙げたようにその為の努力や苦労もしているんだろうけれども、余計なことにバイバイしながら「今が楽しいから あなたも自由に 生きるようにしてみたら?」って軽やかに歌うの、大変似合ってると思います。ただ3人共動きがでかくて本当にアラサーか? よう動けるなそこまで?とは思う。
 あとちゃっかりラストで「ぜひ僕に話してみて下さい なんだかんだ言っても そう君が好きだから」と折り込むの、狡いわ~歌詞が上手いわ~一体誰がこんな曲選曲したんだ~。

 社長か~~~!!!(知ってた)
 ちなみに今回、ロストワン以外は社長の歌ってる曲は社長選曲らしく(ロストワンも「プロセカ収録曲の中からカッコイイやつを」という提案をしているのでやしきずの持ち味を活かしててグッド)、相変わらずの選曲の魔術師です。
 但しアラサーに合わせると曲が古くなるという傾向が今回判明。今度はチャイちゃんと新しい曲やってくれ。いやそうでなくてもいい、どの曲でもいい。社長の歌はなんぼあってもいいですからね。

4.らしさ

 はい来た神曲2曲目。今回のライブはGOD大忙しである。
 SUPER BEAVERの曲で、アニメ『ばらかもん』のオープニングテーマです。ばらかもんはタイトルだけ知ってて、ざっくり調べると書道家の青年が長崎の五島列島に行き、島民と交流していく的なお話らしい。プライドが高い都会育ちの大人と天真爛漫な島の子供達との交流が素敵な作品らしく、履修してたらまた重みが違ったステージだったろうに……!と思わざるを得ない。

 だって歌うのが社長とウヅコウだもんよ。
 片や企業の代表取締役、片や中学生。でも実はどちらもCEOの息子という御曹司ペアだったりします。
 社長の振り返り配信や過去配信で言っている通り、社長は結構なコウボーイ(ウヅコウファン)なところがありまして、かの『WITHIN』が現行版になったのも彼のお陰。
 これを知っていたのでFANTASIAキャスト発表時点で「もしかしてワンチャンあったりするのか……?」とかこっそり思い続けてた訳なんだけども、あった。
 アイシー→WITHINをやられてたら即死だったんだが、脱法ロック→ロストワンで既に致命傷だったところにいこの曲。ヤバイ。イントロの歩いて来てタッチの時点で涙ぶわってした。ヤバイ。

 しかもこの曲の歌詞がね~~~本当に素晴らしいのよ……
「自分らしさとは何だ」「個性」「変わってゆくもの、変わらないもの」というのがメインテーマなんですけども、これもう人気商売かつ成長コンテンツであるVtuberにぶっ刺さること刺さること。
 歌詞割りも社長とのことですが、もう流石。分かってらっしゃる。なんせ張本人だもの。そこにステージングがプラスされた物語性が凄い。

 特にBメロが激アツなんで凝視して頂きたい。
「個性を出さなきゃいけない」「悟ったように一歩引いた 匿名希望の傍観者」を社長が歌い、「ちょっと待ってよ星空は 変わらずあの日と同じだよ」「理解されずとも宝物は 今でも宝物のはずでしょう」とウヅコウが歌う。
 ここね、完璧にデビュー前の社長と、割と万人には理解され難いこともやっていて、けれどちゃんと誰かの宝物になったウヅコウだよ。私が決めた。そう決めた。

 続いて「変化が怖くて」と交互に歌うんだけど、まず社長がウヅコウの方を向き、ウヅコウは客席の方を向いている。社長がウヅコウの方に歩いて行き、その後でウヅコウが社長の方を向く。そして「変わりたくて」と言う社長と、「変われなくて」と言うウヅコウが、近距離で向かい合ってお互いにお互いの存在を示すように歌う。最後に「見えるものに気付いてよ」のところでウヅコウが客席の方を向くの、こんなにも多くの人に見られているじゃないか、と導いてる感があってめっちゃ良い。
 この一連の歌と振りが、ウヅコウを代表とするライバーを見てにじさんじに入った――加賀美隼人から加賀美ハヤトになった社長と、それを先輩として受け入れるウヅコウのように見えて、もう泣いた。

 これは前にも長い話で書いたんだけども、社長の初配信の最後にWITHINを流す直前、まるで覚悟を決めるような、緊張感のある間があるのよな。私がそう思うだけかもしれないけれど。社長は割と何でもやってみるタイプだとは思うんだけどもやや優柔不断でビビる節もあって、恐らくデビューや歌の公開に至るまでには変化を恐れる気持ちもあったのではないかと思う。というか普通はある。配信者として不特定多数の前に立つってどんな人でも絶対多かれ少なかれ恐怖があると思う。
 それでも変わりたいと思って一歩を踏み出して、歩み続けてここまで来た。
 その後は社長の振りが大きくなるの、ああ、本当にこのステージに到達したんだなと実感出来た。社長がライブに出るのはもう何回目かも分からない程多い筈なのに初舞台のような錯覚がしたし、ウヅコウは初舞台だと思えないぐらい堂々としていた。あとぴょんぴょん飛ぶの超可愛い。

 確かにライブや歌の経験的には社長の方が上だろうし、社長がウヅコウを引っ張っていたと見る人が多かったと思うんだけど、私はあんまりそう思わなくて。
 この曲での社長の声、大変ストレートなのよね。シャウトも無く、間奏の台詞も無く、実は「ライブ中の加賀美ハヤト」らしさは薄い。けれどその分「普段の配信者としての加賀美ハヤト」らしさがあった気がする。
 向かい合ってるシーンで大きめにステップを踏むウヅコウとどっしりと構えた社長の対比が印象的だけど、それはある種ウヅコウに委ねているような感じがする。ロストワンでは熱をぶつけ合ってガンガン温度を高めていっていたけれど、こっちの曲では互いの想いを丁寧に練り合わせて大きくしていくような、そんな感覚がある。
 それはウヅコウが居たから初配信から圧倒的な個性を発揮出来た社長と、ライバー活動の中で変わるものと変わらないものを見詰めて来たウヅコウだからこそ出来たことなのかな、などと思った次第。
 だからウヅコウが振り返り配信で言ってた「負けてはいない」って言葉に大変納得した。ちゃんとウヅコウさんの配信を見たのは実はこれが初めてだったんだけれども、社長が気に入るのがとてもよく分かった。
 小さいけれど偉大な王様と、それに憧れた図体は大きいけれどただの人間のステージだった、と思う。それでいい。それが良い。

 ちなみにこの2人、上半身の衣装デザインがお揃いなのでその点も親和性あったわね。
 コメントでは「第一王子と第二王子」ってのもあってこっちもこっちで分かる。CE王という名称はどうなんだろうかと思う節もあれど、今後も仲良くしていってほしい……でも配信でべったりなところを見るのも何か違う気もする……たまに凸待ちで話すぐらいの距離感がいいな……なんて、面倒臭いファン心を抱いたりもしている。
 あ、歌ってみたを出す分には全然いいというか大歓迎ですお願いします。社長の歌はなんぼあっても(略)。

5.ハミングバード

 神を見た。幕張メッセに居た。

 直前のかなかなとあっきーなが可愛すぎて天使と言われてたところにやって来た別のタイプの天使様。後光と共に現れる大司教。地球に降臨してくれてありがとう。この時の感覚、もう本当にヤバかった。
 イントロで高らかに歌ってるのは紛れも無く社長で、シルエットも社長だと分かったんだけど、あまりに神々しくて本当に社長なんか?と脳が理解を拒む。リアタイをしていた私は正に宇宙猫の顔をしていた。
 あと元々知らない曲だったもんで「まさかオリジナルか?! 新曲か?! 作ってるとか言ってたもんな?! でも趣味全開って言ってたぞ?! 大分方向性違くないか?!」と5秒ぐらい脳内で問答。そう、歌詞がダイレクトにラブソング過ぎる。いやでもPIERCEはあんなだし、別の人の作詞だと結構変わる(例:トレモロムーン、篝火)から分からんぞ……いやでも随分ダイレクトにラブソングだな?!?!?!(動揺)

 こんな感じで終始大混乱な脳内だったんですけども、同時に「美しい……」しか言えない感覚もずっと流れてました。
 ラスボスという意見もあってそれはそれで分かる(シルエットのシーンで足元にHPバー出そうだし多分流星をいっぱい放って来る系の攻撃しそう)。でも私の初見時は「天使様」だった。存在しない筈の天使衣装のドローンが頭上に見えるような気がしたし、何なら今着ているのは天使衣装の亜種なのでは?とさえ思った。全然デザイン違うのに。
 無邪気で、美しくて、ひたすらに愛を振りまく超常的な存在。「あんなに頑張ってるから 願いを全て叶えるよ」と社長に言われて、だらしない潜在株主の涙腺が耐えられる筈が無い。いやいや頑張ってるのはそっちだろうにと思う一方で、守護天使の心強さと温かさに嬉しくなる。
 高音の美しさにも最近特に拍車が掛かっていて、何だこいつ無敵か……?となる。そっから下がった時の声もまた良いんだわ。

 これまでの楽曲――今回のライブだけではなく、過去の全部をひっくるめて初めて見る存在だった。まぁ社長は歌えば歌う程別の色合いが見えて来てびっくりするんだけども、「もう3年もやってんだしいい加減出尽くしたろ~」とか薄々思っていたらこれだ。どんだけ手札あるんだ。1枚使ったら1枚引くエンチャントでも付いてるのかもしれない。
 それでいて過去との繋がりが見え隠れするのもまた狡い。「こんなに頑張ってるから 今日くらいは好きにしよう あなたの隣でずっと笑わせるよ」と、毎回毎回好き勝手に道楽して、その結果笑顔をくれる人に言われて、好きにならない筈が無い。
 そしてあの間奏台詞である。

「なんかその……今更なんですけど、楽しいですね! 歌うの!」

 ヴァァァアアア!!!(号泣)
 ここまで超常的な存在、歌の天使様だった存在が、一気に「加賀美ハヤト」になった。
 私は元々社長を何の特殊な能力も持っていない人間だと思っていて、そこが好きなポイントでもあった。造花であると言いながらも時と共に歳を重ね、この世界を楽しみたいから長生きしたいと言いながらもいつか必ず年老いて死にゆく定命の者。それが同じ人間や違う種族と和気藹々と今を生きているのを見るのを楽しんでいる。
 けれど今回、この曲ではまるでそうでないように見えていた。それは多分音楽と衣装と演出の成せる技だった。
 それがたった一言で、そして満面の笑みで、ただの人間の加賀美ハヤトに戻った。

 後付けするのであれば、それはこれまで追い続けた3年間も踏まえたものだったと思う。
 色々なことをやって――ゲームしたり、同期や同僚とわちゃわちゃしたり、ジェネレーションギャップや30歳の誕生日にビビったり、ボルホワ先輩を呼んだり、手術したり、無人島に行ったり――本当に色々なことをこれまでやってきた。
 けれど本質として、何だかんだ加賀美ハヤトという人間は、歌うことを心底楽しいと思う“人間”だった。

 苦しいことも悔しいことも辛いことも沢山あって、それでも何度も何度も笑って、時を重ねて、歌ってきた人。
 楽しいことを幾つも発信してきた人がこの大舞台でそんな笑顔をされれば、もう疑う余地も無い。そして同時に、心から「良かったね」と思う。
 今日、この日が迎えられたことは当たり前ではない。
 一度は潰えた舞台だ。もしかしたら、もう二度と迎えることが出来なかったかもしれない時間だ。8ヶ月という時間の中で、消えていったものも変わってしまったものもあるだろう。
 けれど私に「色とりどりの日常」を与えてくれたのは、「少しずつ輝きを増し」ていったのは、紛れもなく社長のお陰だ。誰が何と言おうとそれは間違い無い。
「あなたと出会えた奇跡だよ」の語尾の絞り方で、もう一度「ああ、社長だ」と思った。

 また会えた。
 画面越しではあるが、最初に「ようやく会えましたね」と言ってくれた日から、何度目かの出会いだ。
 最後のファルセットは力強く美しかった。これまで『月のワルツ』や『怪物』などで高音を披露してきたけれど、その中で一番好きかもしれない。
 私の愛する加賀美ハヤトがそこに在った。

 さて恐らくこの曲、通常のスーツ衣装で歌うとまた味わいが違うと思う。より一層「にじさんじライバー・加賀美ハヤト」の意味合いが強くなって、それはそれで良いものだったと思う。その分現実味が増すので恋愛色も強まるかもしれないけれど。
 けれど社長が「この衣装とFANTASIAというステージにコミットした選曲」ということは、きっとそこに意味がある、と思っている。
 私は最初にFANTASIAのキービジュアルが公開された時、社長は王子、いやどちらかというと騎士という印象が強かった。なので選曲もある程度“強さ”のある曲かなと思っていて、もしかしたらファンタジックな色が入るかもと思っていたけど、まぁロックの系譜なんだろうなと。これまでの社長のステージングを踏まえればこれは自然だと思う。
 実際ロストワンは強かった、もう強すぎて暴君めいた印象があった。バイバイとらしさは割と等身大、やや王子寄りかな?という感覚だった。

 けれどハミングバードにおける「司教」という観点は無かった。細部は違うと思うんだけどもあくまで私のイメージとして、確かに左肩に掛かった布はストラの半分にも見えるが、片腕を上げるとシルエットがカズラを纏ったように見えると最初に気付いたのは社長だろうか演出家さんだろうか、とにかく天才だと称賛したい。そこからの一礼はZepp福岡の『WITHIN』を思わせるのもまた良い。
 神々しさと身近な愛という一見矛盾しそうな要素が、ビジュアル的な非日常と社長という日常に融和していた。これまで「加賀美ハヤトと言えばロック」と思っていた人にとっては意外な側面を見せたと思う。(個人的にはバラードも結構イケる口と前から思ってたんだけども、こういう場で出してくるか~!という自己プロデュースの上手さに拍手したい)
 過去と今が繋がって、新たな未来を生み出していく。にじさんじ4周年記念イベントとして、そんな感覚を味わえたのは恐らく社長の想定通りなのではないかと思う。

 斯くしてまた最高は更新された。いつか私が死ぬ時は、葬式は要らないからこの曲を流してほしい。

6.オリオンをなぞる

 この曲知ってる~~~!!!

 ここまで書いてておかしくなったテンションがちょっと元に戻る(或いは狂い直す)くらいのお馴染みの前奏。あんまりアニメに詳しくない私でも知ってる、『TIGER & BUNNY』1期オープニングテーマのUNISON SQUARE GARDENさんの曲です。
 社長とユニゾンさんっていうとSMC組で歌った『シュガーソングとビターステップ』が印象深いんですけど、作詞作曲の田淵智也さんが所属する音楽プロデュースチーム「Q-MHz」がROF-MAOの『New street, New world』を手掛けていたりと実はなかなかに縁ある間柄。というかその線での選曲かもしれない。(個人的には▽▲TRiNITY▲▽の新曲『I know "The Unknown World"』もQ-MHzさんなんだけどめっちゃ好きなのでちゃっかり紹介)

 全体的にノリが良くて華やかで楽しい曲なんだけど、Aメロの社長パートのリズムの乗り方と「軽くスーパースター」のピース投げで「キャー!スーパースター!!!」ってなる。私の推しは暴君で王子で司教でスターです宜しくお願いします。
 2番のかなかなとの「乾杯!」もものすっごく楽しそうで好き。こういう掛け合いって隣り合った人とやるのはよくあるけど、4人居て端っこ同士でやるってのがまた良い。そりゃあカナとハヤト(オルフェンズ的な意味で)になるってなもんよ。
「ナイフを持つ その、本当の意味が」を社長が歌ってこの振り付けなのも割と意味深で好き。かつて歌は誰かの心に刺す為の物であったけれど、ここではそう解釈するかと。その後の「C'mon!」のシャウトもああ、ライブの社長だぁ……!ってなって大変良い。

「何度よろけて」からの裏にあるハーモニーとメイン部分の力強さのギャップがすげぇし、ソロだと四者四様なのに揃うと綺麗になるの、複数人曲ならではでいいなと思います。かがみもちも勿論いいぞ。「あっちこっち」の振り付け可愛いね。
 ラストの「ココデオワルハズガナイノニ」、ちょっと細めに切なげに歌うの、メインパートラスト曲としてとても良いと思います。アンコールに繋がるフレーズではあるけども、もしこれが本当のトリだったとしても「次のライブ、次のにじさんじ」に繋がるので、選曲は勿論やはり順番を決めたスタッフさんも手練れだったと思います。今回はMCの回数少ないし短かったので音楽をみっちり聞けて楽しかったのですが、社長の振り返り配信で楽器隊の準備時間でもあるという話を聞いてはえーすんごいってなった。今後も何卒宜しくお願い致します。

 最後の「ハイ!ハイ!」で盛り上がったり多分剣持さんかな?が最後バテ気味だったり社長のコールが毎度ながら元気で伸び伸びしていて最高に楽しかった。そりゃアンコールの手拍子も早まるってなもんよ。もっと聞きたいもんなァ!

7.Hurrah!!

 にじフェスのイメージソング。延期されたからこそ追加された曲なんですが、これまた良い曲なんですよね。
 キービジュポーズからの手拍子、3人→3人→2人と歌っていく中での皆の振り付け、どれも良い。シェリンさんとの高身長ペアでのノリ方めっちゃ楽しくて何度見ても笑顔になる。
 フォーメーションチェンジ後の「迷いなんて飛ばせ」の片足上げの安定感がヤバくて体幹激強ゴリラがよ……ってなるしサビの高音が大変気持ち良い。これ原曲は女性も居るしサビの中でも音が上がっていくので男性オンリーだと結構辛いのではと思うんですが、歌唱力お化けがいっぱい居るんで全然大丈夫だった。
 2番はかがみもちてぇてぇだし、「そんな世界はもう蹴っ飛ばして」で叶さんが社長に合図してからウヅコウさん含めた3人でキックするところはもう何だ? 天国か? 天使様に連れて行かれたんか? 一番足が上がってる社長、勢い余って1回転しちゃうかなかな、意気込んでるけどあんまり蹴れてないウヅコウと皆可愛いよ……「ダセえ音を鳴らせ」で手拍子するのもカッコイイよ……

 あとサビなんですけど、この衣装+男共という編成、更に振り付けが遠目で見ると学ランの応援団っぽくもあって、完璧に曲のイメージやにじフェスというイベントに合致してて本当に上手い演出だなと思います。
 こんな連中に応援されたら元気にならない筈がないじゃない。ありがとうにじさんじ。ありがとうにじフェス。
 そしてラスサビ。低音→「見つかりゃしないぜ」の上げ→社長の「聞いてくれ!!」ロングトーンの流れが最高に気持ちいい。神アレンジ。
 わちゃわちゃしつつも綺麗にハモってて、揃っているかと思えば個性があって、ちゃっかり「悪人も」でもちさん指してたり遊び心も入れて。「一緒くた」で「一色多」な、この曲らしい、にじさんじらしいステージだったなと、盛り上がりつつもちょっとしんみりした気持ちもありました。

 最後の三三七拍子、やしきずがニッコニコで「もっかい!」のポーズやってるの可愛いし、社長によるラストコールはアガるし、端っこでピョンピョンハイタッチしてるかなかなとウヅコウもやっぱり可愛いし、最後の社長のジャンプの着地に合わせてくれてからスムーズに締めに入ってくれるもちさんは流石。もう眼と耳が足らん。
 ここの手拍子おかわりが入ったいきさつ、あっきーなとの縁を感じて大変良かったです。今回はあんまりツーショットのシーンが無かったからもし次の機会があったらデュエットほしいなー、実はまだ2人ではやったこと無い……筈。あとシェリンさんともほしいなー、かなかなやもちさんともいいなー。オタクの欲望は尽きない。

8.Virtual to LIVE

 記念撮影も無事終わり、我々も待ってたFANTASIA、遂に最後の曲。やっぱこれだね、皆大好きVtLでございます。
 男だけでのVtLというとやっぱりZepp福岡を思い出してしまうんですが、あの時衝撃を受けた社長の原キーはそのままに、人数が2倍になってより厚みが増したことを実感。
 間奏のアイドルジャンプウヅコウは可愛いし(もう可愛いしか言ってないけど可愛いんだから仕方ない)、2番の「止まること無い時間の中で」「窓に向かい笑い続けた」をダブスリで繋ぐの感謝……
 ただアレだから! VtL加賀美はりきちゃんが生み出したZepp福岡社長の集合体だから! 若しくはそれを更に本人がモノマネしたやつだから! 実際のVtL加賀美はキックもしゃがみもしてないから!!!(4人の中で一番動きがデカかったのは事実)
 今回は他の人も動いてたから飛び抜けてって感じではなかったね。まぁソロも方向性違ったからね。別の意味でインパクトあったけども。
 
 これ他の全員曲でも挙げましたが、フリーダムなところはフリーダムに、揃えるところは揃えるというギャップがとても良いなと思います。かつてのライブではほぼ全部フリーダムだったことを踏まえれば尚更に、それこそここまで歩んで来た道程とかを想ってしまうもの。
 男4名のみでのライブなんて大丈夫なのかと言われながらも、大成功を収めてから2年半。色々なライバーがデビューして、3Dお披露目配信があって、ライブをして、ここまで辿り着きました。ライバーもスタッフも、あの頃とは比べ物にならない程成長・進歩しているなと思います。
 変わったことも変わらないものもあって、この歌がずっと傍にあって、最初と最後を彩って。何かこう、いいよね。
 最後の「せーの!」と「ありがとうございましたー!」の声の高らかさもまた素晴らしいんですけど、全員の一礼が皆違うの、個性があって良いと思います。敢えて揃えない。本当に色んな色がある。
 にじさんじを見てて良かったと思いました。また次の景色も楽しみにしています。

最後に:ROF-MAOステージのこととか総括とか

ROF-MAOステージはまぁいつものろふまお塾の延長線でありながら、技術トラブルへの対応、甲斐田のボール投げミラクル、電流を耐え切る社長と予想外な部分が見れたのは面白かったです。個人的にはクイズはもうちょい問題数減らしても良い気がしたけども別種目を何か追加するのは体力的にも難しかったか。
 あと台本に無いアドリブとアクシデント対応こそが生配信の華だと私は思っているので、上手いことこなしててこちらでも場数……!と思いました。

 しかしいくらVtuberが成長コンテンツだからって、推しの耐電性能が上がっていく様子を見るとは思わなかったよね。
 元々ヒーローショーの裏方バイト中に感電してた→ROF-MAOで普通の電流グッズでは問題無くなった→電気椅子に1回は身の危険を感じて回避するも次は耐え切る、ってどういうことなのよ。あとライブとは関係無いけど辛さも結構耐えてるし。
 ただ足ツボは悶絶してたしマトモな料理は美味しいって言われてたのでガチで神経や味覚がイカれてる訳ではないのは安堵している。これからも安全には充分気を付けた上で体を張って頂きたいです。

 あとこんな連中だけど歌って踊るとやっぱりカッコイイの何か狡いわよね。
『New street, New world』は安定感ある。出だしの「New Story, No.1」の最後が上がるのライブらしくて好き。甲斐田は茶化してたけど(甲斐田なりにめっちゃ褒めてたけど)、実際社長のシャウトはアガるんよ。
 この曲、周りが何と言おうが最初の1歩を踏み出すぜ!という感じがして割と好き。こういう場では相応しいよなぁと思う。

 なんせ次が新曲だしな!『一撃』、ちょっと和のテイストもありながらもロックな仕上がりでCD版もどうなるか気になるところ。狙い撃ちポーズが逆にあざとい。アイドルじゃねぇとか言ってるけども! そんなカッコイイポーズしやがって! ハート撃ち抜かれるに決まってるだろうがよ!
 ちなみにラストの「One Shot One Kill」で社長の脳裏に何が浮かぶのかをいつか聞いてみたいです。やっぱりMoMaかな?(※MtGのワンターンキルデッキ)

 とまぁこんな感じで駆け抜けて来たんですけども。
 社長の出演はステージ2つのみだったとは言え、会場の落書きやミニゲームを楽しんだりしてたみたいで、本当にあの場に存在してたんだなぁという感覚を受けました。私オンライン参加だったけども。
 これまでライブやイベントにそんなに行ったことなくて(サンホラのコンサートとTGSのビジネスデーぐらいである)、リアルこっわ……家から出んとこ……ってなってる半引きこもりではあったんですが。現場の熱に、このまま情勢が落ち着き私情の諸々が解決したらちょっと行ってみたいかも……と思えるフェスでした。

 社長のライブには、歌には熱があると度々言って来たんですけども。
 熱ってつまりエネルギーなんですよね。感情を揺さぶる力であり、何かしたいと思わせたり、誰かを動かす力である。
 この先世界がどうなるか分からないけれど、今回も見事にその熱に当てられて狂わされてしまった訳で、何かしたい、何が出来るともがいてもがいてとりあえず出たのがこの文章でございました。
 多分もっと上手い言語化の方法があるかもしれない。リアタイ中は確かにそこにあったけど、もう忘れてしまった感情もあったかもしれない。私の中での最速感想は多少ツイートしてるけど概ね「ヴァァァアアア!(泣)」だったんであんまり頼れないっていう。
 でもとにかく今回凄かったんで、こうして大変な散文ながらも書き残せて良かったなとひとまずは思います。

 勿論どんな感想を抱くかは人それぞれだと思うんで、この文章に「ちっげーよ!ここはこう!」とか「分かってねーな!」と思う人も居るかと思います。でもそれでええ。私には私の、貴方には貴方の感想がある筈です。出来たらそれを綴って見せてください。オタクはオタクの書いた文章を読むのが好きだと思うから。
 素晴らしいライブがあり、それが1人の人間を(また)熱狂させた。ありがとう社長、ありがとう関係者の皆様方。それを伝え、記録する為にこの記事を残します。

 またいつかどこかで会える時を楽しみにしています。

2022/10/12 夕星

感想文ライブ社築ダブルスリーブ卯月コウ

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