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Category まとめゲーム台本小説感想文
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 今年で3回目になる、社長の誕生日合わせの振り返り記事もとい思ったことを記しておくだけの場所。
 まぁ今年も色々あったよね。色々ありすぎて3日遅刻しました、申し訳無い。
 その分情報てんこ盛りになった気がする。緑色の文字は関連リンクなので是非そちらもご覧頂き、加賀美ハヤト沼に更に更にハマってもらえれば幸い。
 過去の記事はこちら→去年一昨年

ライブやるならとりあえず呼んどけ要員

 表題はにじロックライブの直前放送で言っていたことだが、本当に今年はとにかくライブが多かった。
 2月のにじフェス(前夜祭&VACHSSステージ)、4月のVJC名古屋、7月のARライブ『LIGHT UP TONES』、9月のしずりん先輩のソロライブ、10月のにじロックライブ。ステージ以外だと9月にロック革命にも参加しており、昨年12月のユニット歌謡祭も含めるとほぼ2〜3ヶ月置きに何かしらに出ていることになる。
 昨年はコロナ禍でそもそもライブが少なかったこともあれど、今年は随分増えたなという印象だ。
 それだけ社長のステージングが評価されているのを喜ばしく思うし、毎回毎回良いものを見せられては泣いている気がする。
(私の書いた関連記事→にじフェス時のトレモロムーン歌詞解釈等VJC名古屋感想

 去年の3Dお披露目の時から、加賀美ハヤトは「Vtuberがライブで出来ることは何か」を問い続けているように思う。
 昨年夏時点のひとつの回答は「フルバンドリアルタイムトラッキング」であったが、今年の(会社ぐるみでの)回答は「ARライブ」という新しい景色だった。
 以前からVtuberのライブには大きく分けて3つある。ただスクリーンに投影される映像を見る映画タイプ、観客がバーチャル世界に入り込んだかのようなVRタイプ、そしてライバーが現実世界に居るかのように見えるARタイプ。映画タイプとVRタイプはにじさんじでも行われていたが、AR(しかも自社開発)を本格的に導入し始めたのは並々ならぬ気合を感じる。

 にじフェス前夜祭(参考→ダイジェスト動画)時点ですでに使用されておりFLOWとの共演の一環として使われていたが、その時は1視点固定でありあくまで「カメラが1つ増えただけ」という印象が強かった(それだけでも随分な進歩ではあるが)。
 それがその後の全編ARではより実在感を増し、その後のライブではネットチケットを買う理由にまで昇華しつつあるように思う。(社長は出演していないものの葛葉と委員長のソロライブでは顕著)
 Vtuberは生身の人間と同じ次元には立てないという前提を崩し、より一層両者の距離を縮める技術は、それこそ『トレモロムーン』で歌われたテーマを感じさせる。

 社長自身のステージパフォーマンスについては今更語るべくもない。
 ステージを所狭しと暴れ回る加賀美ハヤトの歌唱には「熱」がある。時に細かな技巧を擲ち、その分感情を震わせる声がある。
 何回も見返す度に気付くものがあり、社長が毎回の舞台と歌に掛ける想いに想像が掻き立てられ、そしてこちらが楽しかった、幸せだったと思うと同時に社長も楽しかったんだなと実感する。
 これだから何があろうとネットチケットは買いたいと思ってしまうのだ。
「とりあえず呼んどけ」と言われるのは、私以外にもこう思う人が多いからかもしれない。

歌に込められたもの

 ライブとも少々繋がるが、歌枠こそほぼ無かったものの楽曲自体は多く発表された年でもあった。
 前述の通りまたもライブで唐突に公開された『トレモロムーン』、去年のライブ初披露曲が新たな表現を引っ提げてMV版公開となった『PIERCE』(参考記事→過去の感想文)、デュエプレとのコラボソング『篝火』。その他ユニットでのオリジナル楽曲やSMC組での『Virtual to Live』、不破湊の3Dお披露目で披露した曲やロック革命関係などが動画化されている。『WITHIN』を含めたソロオリジナル曲3曲は3日0時にサブスク解禁という大盤振る舞いだ。

 加賀美ハヤトにとって歌は武器だ。
 これは人気になる為の道具という比喩的な意味合いだけではなく、本当に聞いた者の心に突き刺す為の凶器というニュアンスもあると解釈している。
 既に何処かで書いたかもしれないが、私は松井優征先生の漫画『暗殺教室』の一節「言葉は爪痕を残してナンボ」というフレーズが好きだ。学芸会でぶっ飛んだ内容の桃太郎の台本を書いた生徒の一言である。
 後に忘れ去ってもいい。人気にならなくてもいい。だが一目見た、一言聞いた瞬間に心臓に傷を残すような言葉を紡ぎたい。ふとした瞬間に「そういやあんなこと言ってたな」と思い出すような作品を作りたいというクリエイターは多いだろう。社長作詞の曲は特にその傾向が強いし、社長の歌もそんな雰囲気が感じられる(特にライブ)。

 ただこの武器、決して人を殺す為の道具ではない。
 心臓を穿つ為の道具ではあるが他者を傷付ける為のものではなく、その胸に熱を刻み込み、「次」に向かわせる為のものだ。
 オタクは熱帯魚や深海魚よりも貧弱な存在なのですぐ死んだだの墓に入っただの言うが、推しに殺されるのは至高の喜びでありすぐに復活して来るゾンビのようなものである。またすぐに腐乱持ち2/2トークンの如くわらわら湧き出ては歓喜の声を上げるだろう。
 何とかして生き抜かねばならない世界で力を与えてくれるもの。連発はされず、ここぞという時に振るわれるとっておき。
 そんな新たな武器を是非来年も携えてほしいと思う。

案件と外部お呼ばれと

加賀美が案件をする時に流れるBGM」を作ってもらっただけあって、定期的に案件を貰っている男である。
 個人的に印象が大きいのはMTGA(マジック:ザ・ギャザリング アリーナ)のモバイル版リリースに伴ったチュートリアル紹介動画だ。以前からMTGが気になっていたもののゲーム自体の年季故に尻込みしていたのだが、これを期に私も重い腰を上げてMTGAを始めた結果、今も定期的にプレイしている。(好きなのは緑黒、除去しつつビートダウンを狙う動物さん達わいわいデッキ)
 他にも何故か案件配信で2企業が関与する形になったりクロノワ&不破湊とポーカーで戦ったりと色々あったが、ここで注目したいのはやはりデュエプレだろう。

 デュエプレとにじさんじコラボ第2弾。悲願達成。それもSMC組の3人でゲーム内に登場&オリジナル楽曲付きという、もう潜在株主大歓喜の内容だった。
 今年1月の記事でも書いたが、最初にコラボ権を懸けた大会で敗北しても尚デュエプレを続け、公式配信での良い縁を続けられた結果が実を結んだように思う。
 イベントシナリオで描かれた社長達3人はどれも解釈一致でスタッフさんの愛を感じた。イラストも素敵でバトル台詞も非常に良く、レジェンドスキルも合っていた。コラボカードも有用で、最早文句の付け所が無い。それをプレイする社長と、そして初のコラボとなったNIJISANJI KRのジユちゃんとの繋がりもとても微笑ましかった。

 更にこの縁あってか、本家デュエマの20周年記念サイトに「関係者」としてメッセージを送るに至った。ノスタルジーを感じさせる実に良いメッセージだ。というか加賀美ハヤトは何かにつけてコメントが上手い。そういう所も非常に推せる。
 他にも刃牙シリーズ30周年記念メッセージが週刊チャンピオンに載る(生まれて初めて本誌を買ったがこれまた大勢の愛が溢れていた)、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』同時視聴(初見の戸惑いを肯定する姿勢がとても良かった)、そして『超人女子戦士 ガリベンガーV』のミニ四駆回に出演(地上波出演は2回目。レース展開が解釈一致)などなど、社長がこれまで発信して来た「好き」がご本家や関係各所に通じたことを感じさせる出来事も多かった。
 案件や外部お呼ばれとはちょっと違うが、2周年にはオリジナルガンプラを作って貰ったりもした。依頼した方には更に誕生日プレゼントまで頂いた辺り、発注の中で良きやり取りがあったのかなと想像する。

 夢は叶う。諦めなければ、努力すれば、人生にはそんな瞬間がある。
 それを自ら体現する加賀美ハヤトはとても輝いていて、追わずにはいられないのだ。

大会の頂点に立つということ

 去年の夏に血を沸き立たせたのが3Dお披露目なら、今年のそれは『にじさんじ甲子園2021』だろう。
 8人の監督の中に社長が居たのを見た時は驚いたが、主催の舞元啓介曰く「(前年に社長がプレイしていた)暴力高校を見てオファーを決めた」。初プレイにしてとにかくパワーを上げまくるという脳筋っぷりは確かに特異であったろう。こちらとしても、今回もその楽しいものが見られればいいと最初は軽く考えていた。
 しかし最初の新入生ガチャで強力な面々を引いて安堵する社長の姿を見てその重圧を察する。他校の育成はいずれもハイレベルなものであり、加賀美実業も度々その豪運は発揮すれども育成中の試合結果は飛び抜けて良いものではなかった。
 だが本番前最後の配信、ニュイがキャッチャー+2の特訓を成功させた瞬間、本当に身体が震えた。

 最強のピッチャーを最強のバッテリーが打ち崩す。しかし実際にはバッテリーだけでなく、強力な打者と強力な守備がそれを支えていた。それこそカードゲームのデッキの如く、各員が役割を補完し合い、互いの効果を高めていた。
 そこに至るまでには様々な迷いや反省があったろう。それを攻略本と過去の経験と幸運で補い、掴み取った栄冠だった。
 ほんの少し何かが違っていたら結果は違っていたかもしれない。だが、だからこそその勝利は尊いものだと思う。
 本当に熱い熱い良い夏だった。

 そしてその裏で進められていたのが、別の意味で社長(とエビオ)がトップに立った『第3回スプラトゥーン大会』である。
 社長が主催というのは大変度肝を抜かれたのだが、誰も企画しないならやる、秋の時期は何も無いことが多いから箱を盛り上げたいという辺り、最初のArkの時を思い出した。普段コラボは少ないがにじさんじが好きで箱の為に動くタイプと思えば納得の展開である。
 戦績の方は残念ながら初戦敗退だったが、後輩と仲良く出来たようで自称古参リスナーは大変嬉しい。かつて「後輩に怖がられているかも」と冗談めいて言っており、実際配信上での接点はあまり多くない人なのでこういう機会は貴重である。是非またいずれ4人で遊ぶところを見せてほしい。

 そして本番の実況MCを担当したことで社長の実況力が広くアピール出来たこともまた喜ばしかった。
 思えばデュエプレの大会実況を片手の指で足りない程やって来た男である。外部の方が一緒だろうが物怖じしない姿勢や愛と熱のある実況が好評で何よりだ。
 練習期間も含めて盛り上がり、接戦に次ぐ接戦で本番も激アツとなった大会が出来たことは箱にとっても社長にとっても大きな成果だと思う。
 その実現までには表に見えない苦労も大量にあったろうが、よくやってくれた、お疲れ様と言いたい。

ろふまおについて

 そして忘れてはいけない今年の超大型トピックと言えば「ROFーMAO」である。
 正直、最初の印象としては「マジか」が大きかった。
 現在の社長は基本的に自分からユニットやグループの名前を付けない。元々コラボする頻度が低いというのもあるが、ゲームの大会のチーム名以外は仲良い人同士でも名乗ろうとはしない。
 同期のSMC組、活動のド初期に作ったダブルスリーブとるじゅえ、アラサーランク帯が代表格であり、その後はほぼ無い。舞元啓介、ジョー・力一、不破湊など接点がある人物がいるにも関わらずだ。
 その中の唯一の例外というか最新の名付け済みユニットが剣持刀也とのペア「かがみもち」である。とはいえこれが公認となったのは去年のユニット歌謡祭なので丸1年前になる。1年間、新たなユニットは結成されなかった訳だ。

 だから後にろふまおとして発表される4名がアニメイトカフェでコラボすると聞いた時、まぁ女性人気の面々だなと思った。アニメイトは毎回にじさんじグッズの店舗特典に社長を起用するぐらい贔屓にしてもらっているのでその時点での違和感は無かった。
 最初の動画の予告が出た時、カフェの宣伝かなと思っていた。無人島に行っても随分と過激な宣伝をするんだな、文明汁でもメニューに入ってるのかな、アニメイトは寛容だなとか思っていた。
 ユニット発表の時、一概には信じられず、ただ足ツボを押されて悶える社長を見て、それなりの覚悟があったのだと悟った。

 前述の通り社長はユニット名を付けない。即ち簡単にユニットを組まない。
 これは同じく歌謡祭で歌った葛葉とは「加賀美&葛葉」というただの連名だったことからも窺える。カードゲーマーとしても仲の良い2人だがユニットを組むには様々な懸念があると判断したのだろう。
 ユニットは呪いと言ったのはそれこそ剣持だったか。
 同じユニットというだけでちょっとコラボしない期間があれば不和かと言われ、偶然1人が外れたコラボをすればハブっていると言われ、別のライバーと動いていれば捨てたと言われる。逆にあいつと一緒に活動するなという声が来ることもあるだろう。名前を冠するだけでリスナーは身勝手に騒ぐのだ。るじゅえの顛末を見ても社長が慎重になってもおかしくないと思われる(これは私自身への自戒も含めている)。

 だが、だからこそ社長がユニットを組むというのは一定の覚悟とメンバーへの信頼がある筈なのだ。
 2期生にしてライブ出演者としても大先輩である剣持刀也。ゲームや彼の3Dお披露目等で協力したり拳を交えた不破湊。社長が珍しく先輩風をビュンビュン吹かす対象である甲斐田晴。
 3人共社長にとって信用出来る相手であると、一ファン目線で恐縮だが勝手に思っている。まぁ何か言いたいことがある人もいるかもしれないが、いつも通り「答えは沈黙」が賢い選択であろう。

 それにろふまお、金と時間の掛け方がヤバい。
 無人島ロケ、毎週の3D番組、雑誌掲載、駅広告、楽曲リリース。これまでのえにから(いちから)と比べると考えられないぐらいマーケティングの初動は完璧である。本気も本気、普通に社運を賭けるレベルであろう。
 どこまでが参加打診段階で提示されたかは分からないが、ライバーの元にこのクラスのプロジェクトのオファーが来たら即決は出来ないだろう。絶対に失敗は許されないのだから、確実に自らの役目を遂行するという覚悟と実力が要る。
 それでも尚社長がそれを受けたのならば、外野がとやかく言えるものではない。やると決めたら全力でやるに決まっているのだ、この男は。えにからが、にじさんじが次のステップに進む為のエンタメを遂行する。よく言えばリターン、歯に絹着せぬ言い方だと集金を達成する為に動くことだろう。
 それが加賀美ハヤトに求められることで、加賀美ハヤトが望むことならば、応援しない訳がないのだ。

 中にはろふまお結成に伴って既存ユニットはもうやらないのかと不安視する人も居るらしいが、私は全くそう思わなかった。
 そもそも社長の場合活動中のユニットが無きに等しいからというのもあるが、ろふまおをやろうがやしきずとチャイちゃんとはMTGやオタクトークをするだろうし、舞元力一が企画を立てれば何だかんだ参加するだろうし、SMC組は誕生日プレゼントを贈り合うだろう。るじゅえはひとつの集大成を迎えたがそれはろふまおとは(恐らく)関係無く以前から決まっていたことで、いつか何らかの区切りを付けなければならないものだった。
 3D収録の機会が増え、コロナ禍も多少は落ち着きつつあるに従い社長業の方も時間を要する(例えばテレワークでなくなったり)かもしれず、忙しくなるだろうが本人はあの調子だ。幾ら代表取締役は多忙がデフォだからってピンクレディーと比較するなと言いたいのだが、過去の言動を見ても健康管理にも文句を付ける所が無いとなれば諸手を上げて応援する他無い。

 ちなみにろふまおが集金ユニットである点を私は否定しない。
 加賀美ハヤトは仕事としてバーチャルライバーをやっていて、仕事とはざっくり言えば金を稼ぐことだ。えにからも企業である以上、利益を求めるのは当然である。
 但し客として何に金を払うかはこちらで決めさせてもらう。個人的にはキービジュアルのピアスが無いのは商品としてマイナスポイントだと思っているので、その点に関しては辛めの評価をしている。(ちなみに4周年ライブのキービジュにもピアスが無くて、えにから?ちゃんとチェックしてるか?という気持ちでいる)
 一方で楽曲は非常に素晴らしかったのでぽんと(250円ではあれど)金を出したし、もし今後ライブがあるならチケットを買うと思う。

 勿論この評価は現段階のものであり、今後何かあれば否定的な方向に転がるかもしれない。
 だがろふまおで色々な経験を積むことは、社長本人の人生の彩りになる(たまに黒ずみを作るかもしれないがきっとそれも一興)だろう。まさか無人島リアプになるとはリスナーは勿論本人も思ってなかっただろうし、社長の持ち込み企画が実現する等比較的自由度も高そうで、スタッフと二人三脚でやっていっているならば安心も出来る。
 そしてその過程でにじさんじやえにからが発展するならば、それはとても嬉しいことだ。

「バーチャル」って何だ?

 数々のライブ、生身の人間との共演、実写動画。
 今年は去年以上に「Vtuberって何だ?」「バーチャルって何だ?」という問いに晒される年であったように思う。「これはVtuberがやるべきことなのか?」とやや批判的な論調で問われたこともあろう。
 これに対し私の回答は「架空の品種の造花は実在する」「やる意義はある」である。
(以下、若干メタ的な話も含まれるので苦手な方は読み飛ばし可)

 間違いやすいのだが、「バーチャル」の原義は「仮想的」である。「電脳世界の」というのは二次的な意味でしかない。
 つまり(少なくとも加賀美ハヤトは)「現実世界に現存している架空的な存在である(=電脳世界にのみ存在する者ではない)」と個人的に解釈している。

 社長は他のライバーと違って「バーチャル〇〇(地名。バーチャル東京等)」と言わない。
 社長の言う新宿とは現実世界の新宿であり、福岡とはリアルな福岡である。そう明言されている訳でもないが否定されてもいないので、私はそう認識している。
 こちらに姿を見せる為にはにじさんじアプリのカメラを通す必要はあるが、そうでない時はライバーや他の出演者さんとデュエルしたり食事にも行く。現実世界と同じベースブレッドやお菓子を食べて、午後の紅茶を買ってだむおのキーホルダーを入手している。

 だがその存在はあくまで仮想、本当は実在しないものでもある。
 実写ロケをしても影すら映らないし、本人や周囲の発言以外で情報が出ることも無い。
「不特定多数による共通したイマジナリーフレンドの類」と言うことも出来るかもしれない。これを読んでいる方は脳内で生成した任意のキャラクターと旅行や生活を共にしたことがあるだろうか。私はある。なのでそのイメージがしやすいのかもしれない。

 加賀美ハヤトは造花である。その花は本来この世に存在しない種である。
 しかしその造花は花園の中で輝いている。ある者に手厚く手入れされ、多くの観覧者に見守られながら咲き続けている。現実世界に生きる者達の心の中に実在し、賛美や時に批判を受けながら、今日もただそこに在る。
 枯れることはないが、手荒に扱えば壊れるし、何かを掛ければ汚れるし、何もしなければ埃が積もる。逆に愛を注げばより美しく輝いたり、色や形を変えることも、今とは違う場所に飾られることも出来るだろう。

 実在する仮想的存在。私の中でのVtuberとはそんなイメージだ。
 その域を外れることが無ければ、何をしたところで一時の驚きはあれど大きな抵抗は無いだろう。
 だからこそこれから彼ら彼女らが何を見せてくれるのか、楽しみでしょうがないのだ。

ゲームの話

 最後に、社長の配信の多くを占めるゲームについて触れておきたい。
 今年も社長は色々なゲームをプレイしてきた。非公式Wikiによると去年の誕生日以降に初プレイしたタイトルは38種らしい。単発もあるとは言え1ヶ月に3本と考えると結構な数のように思う。
 個人的に「これは是非見てほしい」という作品をピックアップしておく。参考になったら幸い。(一部去年のものも含む。リンク先は配信アーカイブまたは社長のプレイリスト)

ぼくのなつやすみ2
 美しい海と山を有する島でほのぼのとした夏休みを過ごすゲームなのだが、社長と潜在株主と魅力的な登場人物達により空気は一変。時に血で血を洗う白熱した虫相撲が繰り広げられ、時に金塊とそれを追う者・追われる者のスリラーサスペンスの様相を呈し、写真家にして名詩人・サイモンの言葉と世界の美しさに感嘆し、切ない親子や連れ合いの物語に涙する。ノスタルジーを感じながら、時間帯により刻一刻と変わるムードはまさに少年の頃の夏の日のよう。「フグ(キタマクラ)」「メシだぜ」など後の実況にも残るミームもあるので是非一度視聴頂きたい。ちなみに無人島リアプとなった今プレイしたらどんな感想が出るかちょっと聞いてみたくもある。

龍が如く極』『龍が如く0』『龍が如く極2
 眠らない街・神室町に生きる極道達の物語。代表取締役という肩書きと一見両極端なのだが、仁義と強さ(とホビー)を愛する男にとってはドンピシャなシリーズである。特に真島の兄さんへの入れ込みは非常に強く限界オタクの気質すら見える。メスキングや変態やセンシティブ要素にドン引きすることもあれど、キャバクラの女の子には人間としての優しさを見せたり、喧嘩っ早いだけのように見えて本当の下衆には怒りを滲ませたり、弟分や幼女に心を痛めたりと社長の人間性と人間味が窺える。なお多くの潜在株主が期待した通りポケサー(ミニ四駆)にドハマりし遂には本物を買った。ガリベンガーV起用ももしかしたらこの作品があったからかもしれない……?

あつまれどうぶつの森(ハッピーホームパラダイス)』
 これまで「場末のゲームセンター」「墓地」「海岸塁壁」「特撮ゾーン(内閣総辞職ビーム再現)」「アルカトラズ監獄風自宅」「ダクソ風迷路」など様々な観光名所を手掛けてきた巨匠・加賀美ハヤトが晴れてパーフェクトリフォーマーへ転職、どうぶつ達の別荘を劇的過ぎるビフォーアフターさせていく。単なる要望だけでなく依頼人の深層心理を反映したかのような仕事振りは非常に評価が高い。「もう1人の自分を生み出そうとしている天才科学者」「実家」「ホームランを打つと約束した病気の子供が入院している病院(但し子供は非実在)」「ヤクザの事務所」「キュートな兵馬俑」「カードショップ(大会仕様)」など、ざっくり挙げただけでも何かがおかしいが名作であることは間違い無い。個人的には制作当時は他に使い道なんて無いと思われていた「きったねぇコンクリート&マット」のマイデザインが各所で活躍しているのが非常に面白い。人生何があるのか分からないのである。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
 言わずと知れた超名作。「やりたいと思ったことは何でも出来る」と言われるこのゲームを、脳筋×少年心×フロム脳の社長がプレイすることで想像以上のフリーダムが生まれた。目的地などあって無いようなもの、どこへ行っても何をしても楽しげな姿が印象的。チャット欄を非表示にしてプレイする神獣ダンジョンは特に必見。どんなプレイも受け入れる任天堂の凄さも窺える。個人的にはエノキダ工務店イベントが好き。

リトルナイトメア』『リトルナイトメア2
 どちらかというと2がオススメ。1でも登場人物に対して大変肯定的だったプレイが、2では「相棒」により顕著になり、悪夢の中でも人を憎まない社長の性格が色濃く発揮されている。ラストシーンもさることながら、教室にて敵を回避してウキウキだった後に敵の振る舞いを見て笑みが消えたシーンが人間味があってとても良い。恐ろしくも美しい、闇夜に咲く一輪の花を見出すような作品。

塊魂アンコール』『みんな大好き塊魂
 塊を転がして、様々なモノをくっ付ける、それだけなのにみんな大好き。とにかく頭を空っぽにして社長と王様達とのパワーワードで笑いたいならこれを見るべし。酒が入ると尚良し。但し耐久枠はその限りではなく、ウシやクマを前にしてどんなホラゲーよりも悲鳴を上げる様子が度々見られる。ミーム化した「ウシダーーー!!」の元ネタはこちら。

みんなで空気読みシリーズ
 三部作。この男、社長だけあって空気が読めなくはない。空気を読む・空気を読まない・操作が分からないの3つの内のどれかである。あと読まない時の3割ぐらいは誰かと戦おうとしたり世間の厳しさを伝えている。流石代表取締役(?)。単発・短枠なので手短に笑いたい時にオススメ。

エルシャダイ
 かつて一大ブームを引き起こし、有名なミームを残しつつもクソゲーと言われてしまっていた作品を2021年にプレイ。蓋を開けてみれば非常にアーティスティックかつ壮大な世界観、心地良いバトルシステムを持ちながらも志半ばでの頓挫が見え隠れする名作になりきれなかった名作だった。それでも社長ならではの感性により大変好意的な気持ちで見られる。ラストの展開は普通に泣ける。

『ゴッドフィールド』(視聴者対戦実質EDM大会
 長らく続く神同士の戦いに社長も参戦。一見のほほんとした絵面だが各々の運と選択とヘイト管理が鍵を握る配信者向けの闇のゲームである。でびでび・でびると本間ひまわり主催の大会では代打の司会進行兼選手として参加。悪魔と天使の教育テレビめいた一見ほのぼのとしたルール説明にぶち込まれる「金が0円になると借金分はHPから払われるんだ」「現実と一緒ですね!」「現実と一緒なのかなぁ……?」という世知辛いやり取りや、神となった優勝者の強者の振る舞いに恐れ慄く様子は必見。

ポケットモンスター シャイニングパール
 現在進行中のポケモン最新作。リメイク元のダイパ未プレイ、他作品の経験とポケカ知識と攻略サイト情報とリスナーからのワザップが入り混じるカオスな様相を呈しているが、元々剣盾でやっていた暴力パーティの系譜を継ぎつつ更に社長のセンスが爆発。たんじゅん剣舞ギガインパクト搭載ビーダル「だむお」は社長の相棒にして皆のアイドルとなり、威嚇コンビや壁2種貼りフーディンやジバコイルといったサポートも充実。かと思えばノーガード大文字きあいだま搭載特殊型メガネ持ちカイリキー「スペック」というこれまた変わり種が居るという頭のおかしい構成である。なお統一テーマは「ギガインパクト・インファイト(・だいばくはつ)のいずれかを習得」になりそうな模様。簡単に勝てる試合でもあえて対面振りにしたりどうしてもだむおのギガインパクトでトドメを刺したがったりとやりたい放題だがそれこそが最大の魅力でもあるだろう。

・その他ちょっと人を選ぶかもしれないタイトル
『怪異症候群シリーズ(12)』……怪異の名前が出る前に元ネタ当ては日常茶飯事、洒落怖大好きホラー耐性◎の社長がプレイすることで笑いの絶えないゲームと化している。しかしツクール製ドット絵RPGだからと馬鹿に出来ない恐怖演出が結構あるので苦手な方は要注意。
HITMAN』『HITMAN2』……暗殺以外は何でも出来ると噂の凄腕暗殺者・47(フォーティーセブン)の珍道中。「準備は一任するわ」のフレーズでお馴染み。フグを片手にこっそり暴れ回る姿は楽しげだが、ターゲットはしっかりがっつり人殺ししているのでこの枠。
バイオハザード7』『バイオハザード8』……ホラー演出に全くビビらないどころか大爆笑する社長が見られる。7は夜見さんとのコラボ配信も微笑ましい。が、虫やグロやゴア演出があるので苦手な方は無理せずに。
Bloodborne』……すっかりフロム脳をキメた社長がエルデンリング発売前に降り立った約束の地。散々苦戦ししながらもパイルハンマー最大溜めが成功した時の爽快感は凄い。但し名状し難い化け物共が徐々に出て来るのでSAN値注意。

誕生日当日とその後の話

 この記事の文章は一応誕生日前から書いていて当日にアップする予定だったのだが、あまりに色々と良すぎたので結局引き伸ばしてしまった。ので、当日周りのことも記載しておく。

 まず1日深夜。日付変更を迎える枠は去年と変わらないまでも、ハラハラドキドキ感は例年以上だった。
「乾杯しましょう」と響21年を用意し、さぞや大人らしい落ち着いた30代突入となる……かと思ったらあのザマである。スパチャを送る準備をしていた私は笑い転げて手が震えてなかなか送れなかった。大はしゃぎやんけ!とツッコミを入れようかと思ったがチャット欄が色とりどりで爆速だった為それどころではなかった。
 その後未だこちらの笑いが完全に収まり切らぬ中ようやくの乾杯と相成った訳だが、乾杯の宣言からちょっと間がありながらもドンピシャのタイミングでマグカップをディスプレイの片隅に当てられたことを地味に感動している(酒は苦手なので紅茶とプリンをキメていた)。完全に私しか知らぬことだが。

 ふと思い出したのは去年の夏、ファミマとにじさんじがコラボしている時に社長のマルチケースを貰いに朝っぱらからコンビニに行った時のことだ。早々に無くなることを警戒したのだが余裕で余っていて少々拍子抜けだったものの、少し早く家を出て目的地に向かい、ちゃんとあるだろうかと不安になりながら店内を巡り、ちゃんと発見してレジを通すあの緊張感と達成感はリアルに思い出せる。
 ずっと脳裏にこびり付いている訳ではないが、ふとした瞬間にはっきりと思い出せる感情。それは更に遡ればZepp福岡の公演終了後の会場ナレーションで社長が言っていた「ライブグッズを購入すると、後から見返してあんなことがあったなと思い返せる」というフレーズにも繋がるかもしれない。
 来年の12月2日、私はこのことを忘れているかもしれない。だがこうして書いておけば、いつかこれを読み返した時に鈍く小さな乾杯の音と、ほんの一瞬だけカップとグラスが触れ合ったという錯覚による喜びを、まるで今体験しているかのように思い出すことだろう。
 それでいい。そういう思い出を積み重ねていくのが長く推すという楽しみなのだと思っている。

 また、日付変更後に開封された同期からのプレゼントはもう泣いた。明らかに早い。だが13日まで涙を我慢出来なかった。30代の涙腺は脆いのである。
 同期から渡されたと聞いて最初に想像したのは一昨年のトンチk……所縁ある人達からの愛のあるビデオレターだった。しかし封筒と聞いて手紙かとも思った、2周年記念での手紙も感動的だったななどと思いながら。だが中身はチケットであり、そう言えばマジラボがディ◯ニーへ行きたいと度々言っていたなと思い出した。どんなチケットよりも嬉しいと聞いておっと社長はU◯J派か?なんてことも思ったりした。

 結果はアレである。もう泣くしかない。
 社長の誕生日に合わせてのパーティーを2年連続(昨年一昨年)でやっているものの、今年は同期の週間スケジュールを見る限りあるかないか掴みきれなかった。落ち着いてきたとは言え流行病の影響があるかもしれないし、スタジオがなかなか取れないとも聞いていたから今年は無いかもなと思っていた。
 それが若干時期をズラしてのパーティー。この李白の目を以ってしても見抜けない展開だった。嘘です本当は半ば節穴だ、可愛らしいチケットと社長の反応を前にしてもう視界が滲んでいたのだから。
 常々思うのだがSMC組は幸せの擬人化のような存在だと改めて実感した。13日が今から楽しみだ。

 2日18時。誕生日グッズ&ボイス販売
 グッズには少々厳しい目になる私も、今回ばかりは即買いである。冬臣お母様撮影の社長がまた実に良い。
 私は眼鏡好きであり、デフォ髪型に匹敵する勢いで掻き上げ髪型も好きだ。二次元におけるほぼ初恋の人(某テニス部部長)の面影があるというのもあるが、5万人衣装一式にはギャップ萌えには堪らないラフさと色気を感じる。
 正直ずっとお母様のTwitterが動いていなかった為、発表まで別の方が撮影を担当しているのかなという覚悟もしていた(尚去年の様子から見て今年グッズ自体は出るだろうと予測していた)。
 しかしながらお出しされたのは最高の品だった。柔らかな微笑、風に靡くアホ毛、恐らく朝焼けの空、オリジナル3曲を模しているであろう風船(よく見るとピアス、月、花の意匠が見える)。花が散りばめられたお祝いムード一色ともまた違う、大人らしさと美しさを兼ね備えたお写真である。加賀美ハヤトの最も魅力的な表情や仕草を撮影出来るのはやはりお母様だと思う。

 そしてボイスの方、まず言いたいのは「買え」。去年も同じことを言ったが、たとえお金の無くてグッズが買えない潜在株主でもこれだけは買ってほしいと思える品である。
 去年同様ボイスレターの形式であり、雑談配信の口調と似て非なるトーンは他のボイスともまた違う特別な距離感がある。
 そこで宣言される「約束」は、最初こそ笑ってしまったがある意味では配信者にとって最も重要なことかもしれない。これまでもあまり心配したことはなかったが、改めて言ってくれることに安心を感じる。
 そして同時に思うのは、相変わらずこちらの気持ちをしっかりと見てくれている人だということだ。甘い言葉を返す訳でもないのだが、ふとしたワンフレーズを聞いて、ああ伝わっているのかと、それを受け取ってくれるのかと勝手に嬉しくなった(ただの思い込みかもしれないが)。勿論リップサービスかもしれないしこっちが舞い上がっているだけなのだろうとは思うのだが、それでも好きなものは好きだと思った。
 今年のでも満足感が凄いのだが、去年の誕生日ボイスも再販されているのでまだ買ってない方はこちらも聞いて頂きたい。今年とは全く別の意味でぶっ飛ぶ筈である。

 2日22時半。初の凸待ち配信
 本人も認める普通と違う凸待ちだったが、これはこれで良かったと思う。もっと多くの人と話してほしい、1人5時間話してほしいとオタクは贅沢なので思ってしまうのだが、それぐらい楽しい時間だった。
 同期の距離感、旧知の仲の距離感、初対面の距離感。それぞれ当然異なってはいたが、そのどれにも温かな好奇心と尊重と、広い意味での愛を感じた。
 会話デッキの「加賀美の知らない言葉」はとても良い題材だったと思う。今回挙がったものは私もほぼ初めて知るものであり、それぞれの分野における興味が広がった。このまま企画にしてほしいぐらいだ。
 一方で夜見さんから貰った形となるサブテーマ「タイムカプセルに入れたい物」が大体カードに帰結するのは社長への凸者ならではであろう。ほぼ全員デュエリストという構成はなかなかのものだと思う。

 すめしてぇてぇを炸裂させたり(死生観デッキも強い人が弱い部分滲ませるのも大好物だ)、甲斐田そういう所だぞと思ったり、他の人も大変面白かったのだがやはり個人的にはダブルスリーブ(社築と社長のペア)がまた見れたのが嬉しい。
「チワーッス!」という超ラフな挨拶からの「バディ」呼び、そして会話デッキ不要の40分トークはファンとしては感涙ものである。リスナーを無視していいので永遠に喋っていてほしい。今後チャイちゃんも交えての福袋開封もありそうで楽しみったらない。3人がお互いにお互いに物真似しているのを聞くのは健康に良い。
 社長はコラボが多い方ではないものの、話の回し方自体は苦手どころか得意そうと感じている為、また機会があれば色々な人と話してほしいと思っている。

 3日0時。オリジナル曲サブスク公開
 凸待ちが終わってから聞いたのだが、本当に音質が良くて驚いた。
 特に『PIERCE』は音の立体感が増しているのが一番感じ取れた。メロ部分にもハモリがはっきりと聞こえたし、メインボーカルがしっかりはっきり手前で聞こえる印象。
 最悪オフラインでも聞けるように(バイクで聞く時になるべくネット使用量を抑えたい派)iTunes Storeで購入したが、Spotifyなど色々なプラットフォームで出ているので気になる方は聞いてみて頂きたい。
 以前話題に出た後音沙汰が無かったのですっかり忘れていたレベルだったが、予想外のプレゼントを貰えて大変嬉しく思う。

 3日18時。お母様によるお誕生日お祝い写真公開
 もう最強だ。もう既に最強だ。尚ここでの最強とは「過去の加賀美ハヤトの中で最も強い」ことを指す。
 タイプF衣装というだけで火力が高いのに、歌った直後のような或いは戦いの最中に鼓舞しているような表情はあまりに強い。これが無料でよいのですか……?と思ってしまう。
 そして3日23時。ブラボ地底探検回
 30歳になってまずやしきずは上位者となったが、社長は地底人となった。同じ舞台で対比的なのは実に良い。そこに待つのは文字通りの深淵だが、社長ならきっと呑まれず御すことだろう。

 この後で言えば、9日にMSSPとの対談記事が掲載された雑誌『PASH!』2022年1月号が発売される。正直名前しか存じていないのだが大物であるというのは知っている、なんでにじさんじと?!なんで社長とふわっちとヒムさん?!という思いもあるがまずは発売を待つとする。こういう場に出して貰えるのも大変ありがたいものだ。
 そして前述の通り13日はSMCパーティー。更に年内に何らかの地上波もあるという。
 まだ不確かではあるが今年もユニット歌謡祭があるかもしれないし、葛葉の『クロウ』は一応年内完成の予定ではあるし、社長のことなので全く別の突然の報をぶっ込んで来るかもしれない。
 年が明ければ(何かするか分からないが)すめしハーフアニバーサリーがあり、1月末には4周年ライブがある。
 ただでさえ年末年始は慌ただしいというのに、社長は相変わらず私の心を掴んで離さない。それをとても嬉しく思う。
 こうしてどうにかこうにか生きて社長の誕生日を迎えたり年を越せるというのは当たり前のことではない。奇跡みたいなものだから、その分愛おしく、喜ばしく感じるのだ。

最後に

 この1年は、加賀美ハヤトがこれまで培ってきたものがより周知され、また新たな実を結んだ年だったように思う。
 初配信の日に歌ったWITHINはARという新たな舞台で一層の意味を持ち、デビュー後1ヶ月で経験したにじロックは大舞台へと羽ばたいた。アプリ配信直後から綿々と関わり続けたデュエプレではボルメテウス・ホワイト・ドラゴン先輩との共演を経てバトルシティへと降り立ち、大会の現場で得たノウハウはスプラ大会で発揮された。同僚達との友情もまた変わることは無く幾つかの形を成し、今後もまた賑やかな色を織りなすことだろう。
 また幾つもの人生の寄り道を提示し、新たなユニットと共に数々の挑戦を行い、やがてにじさんじ4周年という舞台へ、更にその先へと向かうのだ。

 その活動の中心にあるのは、デビュー当初から変わることの無い「自分が娯楽であるという自覚」であろう。
 敢えてここに記させて頂きたい、2021年6月末のこと。
 社長がかねてから尊敬する人物として名を挙げていたライバーがにじさんじを卒業した。それに対する社長の反応は彼女の引退絡みの告知ツイートのリツイートと、至って普通の、何の変哲も無い配信をしただけだった。……これは嘘であり本当だと、潜在株主として記録させて頂く。
 社長は基本的に心を折らない。所謂「ヘラる」という状況を見せるのは稀だ。理不尽な状況を前に悲鳴を上げることはあっても、その後すぐにリトライをするタイプであり、本当に無理であれば配信自体をしない。
 そんな人が「どうしようもない時は笑おう」と、「皆様眠れなさそうですね、私もなので付き合いましょう」と、わざわざ口にするのはかなりのレアケースなのである。

 社長が言っていることは間違いではない。
 これまでの社長の中でのヘラり箇所(恐らく)最上位が「ダクソの苗床(ボスに辿り着くまで長い+道中の敵がキモい+ボスの攻略方法が分からないと即死させられるというシリーズ屈指の心折りポイント)」なのだが、そこでも「皆様がいてくれるから投げないでいられる」と言った程である。1人で抱えるよりは配信をしようとなるのも分かる。
 だが決してダメージを負っていない訳ではない。よく社長はメンタル強者と言われるが無傷な筈がない。これはNieRの配信モチベーション周りでも察することが出来る。「どうしようもない時」の一言に集約されるまでに如何程の苦慮と無念と諦観があったのか、一リスナーとしては想像する他無い。故に嘘であり本当だ。

 しかし社長は最終的には本当に「普段通り」を達成した。アレな内容のクエストに心乱されながらも、文字通り夜が明けるまで戦い抜いて最後の強敵を倒した。
 その後も配信で見せる顔はほぼ変わらなかった。他ライバーの引退やデビュー後2年で契約更新の噂(真偽の程は筆者未確認)により、まさか社長もと不安になるリスナーに対して「そう思うのも無理は無いだろうけれど、来年まで予定が入っている」と言った男である。安心させるのみならず、不安になることを否定しないのも彼らしい部分であろう。

 その一方で社長は沈黙を上手く使う。「言わない」ことで複数の可能性が残り、都合の良い解釈をしてもらえることを恐らく知っている。
 それを狡いと言う者もいるかもしれない。だがネットというのはロバと老夫婦の寓話のように、何をしたって誰かしらには文句を言われるものだ。
 その中で自分はこう在ると決めて、自分のエンターテイメントを貫く姿を私は尊敬する。時に失敗することはあれどその後上手くフォローをして、臆さず挑戦を続ける勇気を讃える。こちらが何も言わずとも自ら考えて方向性を決定し、或いは周囲の声に耳を傾けて改善してくれることを嬉しく思う。

 完全ではない。天才でもない。特別器用でもなく、真に清廉潔白という訳でもない。
 ただ今はまだその誠実さを信じていられる。彼の内心がどうかは当然知る由も無いのだが、彼が見せる加賀美ハヤトというコンテンツを楽しませてもらっている。
 彼がそれを出来るだけ長く、より楽しいものを提供しようとしているというのがよく分かる。配信者にとって心身共に頑丈であることは我々が安直に想像するよりもずっとずっと大切かつ貴重なことだ。それを実施・維持する為には決して少なくはない努力が必要だろうに、最強を目指すその姿勢は実に社長らしい。
 私はそれを評価する。私はだらしない人間だし社長に色々な影響を受けたりもしているが、社長に時間と金を費やすという選択は、他でもない私自身が決めたことだ。
 他の人がどう思うかは分からないが、私の中で加賀美ハヤトはそれだけの価値のあるエンターテイメントなのだと、敢えてこの場で宣言させて頂きたい。

 我々の世界に掛かった雲は分厚く暗く薄ら寒い。しかしその中で輝き続ける光が、音が、その振動が熱を生む。
 酔わされながら駆け抜けた365日の全てが幸福とまではいかないが、きっとその内300日ぐらいは楽しかったと思えるものだった。
 加賀美ハヤトは明日も明後日も明々後日も、1年後も、5年後も10年後も笑っているだろう。心強い仲間と強敵(とも)を求め続けるだろう。愛と尊重と娯楽と戦いの最中、迷い間違う時があろうとも、そこに立っているだろう。
 否、これは私の願いで祈りだ。そうであってほしい。彼がこの世に生まれて30年、重ねた年月を祝福し、これから重ねる年月が光多いことを望む身勝手な思想である。

 私に出来ることはほぼ無に等しいが、界隈の片隅から喝采を送ることぐらいは常々許してほしい。
 29歳の加賀美ハヤトも最高だった。30歳の加賀美ハヤトもきっとそれを乗り越えることだろう。最高を更新し、最強を目指すだろう。
 加賀美インダストリアルの代表取締役として、にじさんじのライバーとして、三十路の男として、またひとつ厚みを増した活躍を見せてくれるに違いない。(欲を言えば玩具会社の社長要素をもっと見せてくれたらとても嬉しい、プラモ組み立て配信や玩具レビューも見たいとサンタさんにお願いする子供じみた我儘を記しておく)
 30への上昇負荷を乗り越えた今、臆することは何も無い。幾つになっても人は輝けるものだし、そうであると他ならぬ加賀美ハヤトに証明してほしい。ちなみに私はおじさんが好きなので「加賀美ハヤト(27)」より「加賀美ハヤト(30)」の方がときめく。そうでなくとも渋い大人として熟成するのもまた魅力、文字通りの成長コンテンツなのだから、これからも重ねる時間を良きものにしていってほしい。
 加賀美ハヤトならばそれが出来ると信じている。2年以上見てきた者が言うのだ、多少は信頼してほしい。……まぁ個人的には諸々の事情で最近やれることが少なくなっているのだが、それはどうか許してほしい。だらしないなりに死なないようにはしているので。

 最後になったが、誕生日おめでとう社長。
 生まれてきてくれて、生きていてくれてありがとう。これからも何卒宜しく。

2021/12/05 夕星

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