夕星の長い話置き場

 Heyメタルヘッズ、或いは深海魚の皆様。新曲『PIERCE』フルMV、とうとうやって来ましたね。
　Zepp版とショート版からどう変わっていたかも気になるところなこの曲。

 もうね、とんでもなかった。今回もぶっ飛んだ。
　そんな訳でいつもの限界化感想文です。毎度ながら独自解釈と妄想を交えているのでご注意ください。

 なお、待ち切れずに妄想した記事が幾つかあるのでそちらも宜しければどうぞ。
　Zeppの時の感想と歌詞／ショート版を元にした妄想

 万が一にもまだ聞いていない人は聞いてください。既に聞いた人はもう1回聞いてください。

社長の見解

 フルMV公開の日、社長の雑談枠でこの曲について語られています。
　ぶっちゃけこれ聞けば私の感想とか要らなくないか？（熱のこもったマロも届いてるし……）と一瞬思ったんですけど、やはり自分なりの思いというのもありますし、感極まったオタクの声は幾らあってもいい（独自調べ）ので残しておきます。

 簡単に重要だと思った部分を抜粋しますとこんな感じ。
１．「特別なもの」「平等ではいられない存在」と、そうではないもの
２．人間は1人1人は生き物だが集まると定義が決まった現象になる
３．落ちサビはビリー・アイリッシュをイメージ
４．社長を示した歌ではない、という建前

 あとぎゃぷいちさんが「えっちじゃん」って言ってて社長が1回否定しつつも認めちゃってるのでこれはえっちな歌です（真顔）。
　これらを踏まえつつ歌詞を見ていきましょう。

フルMV版の歌詞とこれまでとの差異

 カッコ内はGoogle先生と一緒に翻訳したものです。精度はお察し、大目に見てください。

穢された純真も　躱された救済も
消えやしない銃創のせいにして

欲望の熱含量　嬌声の反響音
許されない、見えない、叶わない、

I wish I didn't know anything.
（何も知らなかったらいいのに）
Pain alone was enough.
（痛みだけで十分でした）

刻みつけた銘も隠さないで

It's Tiny suicide.
（それは小さな自殺）

取り残して行かないでよ　この華は
溶け合って、間違って、「完成」だから。

凍り付いてままでいたかった僕に
熱を教えたのは貴方だった

眼差しのような日差しに
声を枯らしたベッドに
愚かな罅を愛してる

Everyone has a beast in their heart.
（誰もが心の中に獣を持っています）
"Tell me why"？ I don't need meaning.
（「理由を教えて」？　意味は要りません）
Just living simple.
（ただただ生きるだけ）
Because it alone can be sinful.
（それだけが罪深くありえるから）

Irreversible destruction.
（不可逆な破壊）

最後は分かってた
許さないで、憎しみ合って、
消し去りたいほど　愛していた

凍りついたままで　甘えていたかった
絆した心は戻らないのに

この身を捧げて　何もかも焚べて
そうして出会えた灼熱が

贖いのような晴れの日
貴方を撒いた空に
傷一つ無くなった身体に
魂に空けた　PIERCE

This is your curse. x3
（これは貴方の呪い）
Pierced to my Heart.
（私のハートまで貫きました）

 ……翻訳どころか英語パート聞き取れてないよ！　ソーリー！
　ラップパート（Everyone has a beast〜の所）の2回目は動画に表示されてる歌詞と違うよと社長も言ってまして、実際リアタイで聞いてた時もこれ変わってないか……？と思ってはいたんですが聞き取るに至らず。
　多分2回目の1行目は同じで2行目から違う気がする……「Just living simple.」に対応してるのは「Must living people」か？「lying」か？というレベル。
　ついでに元々ピッグスクイールだった部分も同様。最後が「YourかYou're (onかor？) tell」っぽい……？　しかし意味通じない気がするというダメっぷりなんで分かる人いたら助けてください。

 日本語パートについてもZepp版（というか私の聞き取りが甘かった版）と比べると前半部が結構変わってる……というかネットチケットでは舞台上部の歌詞が見えたり見えなかったりしていたので把握に限界がありまして、ショート版で分かってましたが一応下記にまとめておきます。
　同音異義語の所為で聞き取れていたとこで分かる訳ねぇよ！なポイントもあって逆に面白いところ。
　その割にラストが合っていたのはとても嬉しい限り。ここ違ってたら今までの解釈全部パーになりかねなかったので。

交わされた救済も→躱された救済も
欲望の熱感量→欲望の熱含量
虚勢の反響音→嬌声の反響音
構わない→叶わない
混じり合って→間違って
愚かな日々を愛してる→愚かな罅を愛してる

 ちなみにショート版とフル版の動画内の違いとしては、「この華は」で映るのが鉢植えの花のシルエットから舞い散る赤い花弁に変わってます。えっちだ……。

「特別・平等ではいられない」「それ以外」とは

 こいつはド重メリバラブソングですよと私が散々喧伝してきた通り、「貴方」への愛をふんだんに歌ってます。
　そういう意味で「特別なもの」「平等ではいられない存在」という社長の見解は実に分かる。

 この「平等ではいられない存在」って言い回し、大変好き。社長のこういう端的かつ的確な表現力、とても良いと思います。
「特別」とどう違うんだ？と考えていたんですが、「特別」は自分が積極的に・意図的に他と違うと区別しているもので「平等ではいられない」は強制的に・無意識に区別してしまうものかなというのが私の見解。
　だからこの歌ではどっちも当てはまるものの、後者の印象が強いのかなと思ってます。
　例えば前回の妄想の第4節にあるような、本来人間に平等である筈の天使様がそう出来なかったと考えると実にドラマチックでロマンチックではないですか。

 ただ見えてる歌詞内だと「それ以外」の印象がちょっと薄いんですよね。
　可能性があるとすれば英語パート、Everyoneから始まってる辺り当たってるんじゃないかと思うのですがちゃんと聞き取れてなくて把握が難しいところ。
「人間は1人1人は生き物だが集まると定義が決まった現象になる」、即ちCrowdの話もされてるので多分どっかで言ってるかもしれないし言ってないかもしれない。
　ちなみに雲はCloudなのでLとRの違いだけではないです（CroudはCrowdの古語ではあるけど）（語源的には恐らく一緒で、Cloudにも大群・大勢って意味あるけど）。
　想像だけで言うならば、理性あるフリしたっていつか心の中の獣が牙を剥くよ、群れると恐ろしいものだよという内容でしょうか。

 有象無象が織り成す現象の中でも「貴方」は1人だけ生き物として立っていた、それを憎んで消し去りたかったのに出来なかった。
　定義に収めることが出来なかった、「これはただの現象である」と見過ごすことが出来なかったと考えると「平等ではいられない」とも綺麗に繋がる訳でして、具体性が乏しいながらもあぁ〜〜良い曲〜〜！！と感極まります。ヤバイ。

歌とか声とかライブとの違いの話

 歌がドチャクソ上手いのは今更言うまでも無いのですが、今回の表現特にヤバない……？と震えました。

 まずショート版出た時点でTwitterでも言ったんですけど、この曲ってZeppライブ版だとかなり吐息多めなんですよね。あんだけ動き回りながら半ば当然なんですけど。
　MV版だとその辺綺麗になってるのとサビの各ワードで音を伸ばしつつ歌ってます。これは好みが分かれる所で、個人的にはライブ版が好きかなーと思ってたんですけども、MV版での好みポイントはサビ後半。
「眼差しのような日差しに」からバックに入るクワイア。これめっちゃクセになる。天使感もバリバリ出る。有り体に言えばとても神々しい。

 ちなみに「愚かな日々を愛してる」だと思ってた頃、なんでここだけ現在形なんだ？「愛してた」の方が良くないか？と思ってたら「罅」だったっていう。
　つまりその時出来た罅は今も残っていて、まだ愛しているということなのかなと思った次第です。……まぁ更にその後「あの頃の日々」であるなら今尚愛していてもおかしくないと気付く訳ですが。
　あとフル版公開前に「激しく熱された物が冷却されると罅出来ますよね」という天才マシュマロも頂きまして、落ちサビ聞いて震えたのも記載しておきます。詳細後述。

 で、英語パート。ラップ部分で字幕と歌詞違ぇじゃんよ！！とまずひとビビり。ここ、Zeppだと丁度全部歌詞見えてたからやったぁと思ったらこれである。しかも正解教えてくれないという。意地悪。
　何かめっちゃ叫んでるところは「Irreversible destruction」でしたね。キービジュ（サムネ）で使われてるキャッチコピー。不可逆な破壊、まさにタイトルであるPIERCEに相応しい。
　なおIrreversibleは普通の発音だと「イリバーシブル」。リバーシブルの否定形で原義は「逆にできない、撤回できない」の意ですね。社長は2音ぐらいでこれ言ってデストラクションの方に全力ですけど。デスボ超かっけぇ。

 そこから続くパート、まぁピッグスクイールそのままは来そうにないなとは思ってましたよ。男歌リレーの時に出しちゃったから。でも代わりに何やるか想像ついてませんでした。
　そしたらこれである。何言ってるか分からないが情報量が……！多い……！
　この手前の頭振りたくなるゾーン、ブレイクダウンと言うのだと今回新しく学びました。そこから思いっきり高音でぎゅあんぎゅあん叫んだ後に畳み掛けるの、たまんねぇな全く。
　こっちバージョンも是非ライブで見たい。どうせ現地には行けない（出不精＆フル休み取れる自信無いマン）のですが社長の暴れる姿見たいわーと思うポイントです。

 その後の「消し去りたいほど　愛していた」の「愛していた」部分、それまで掛かっていたハモリ等が一切無くなり、更に入りのブレスがちょっと入った後でクリアな声で高らかに歌うの素晴らしいと思います。かなりZepp版に近いのではという印象。
　3Dお披露目のWITHINの時も語ったんですが、どんどんクオリティアップしていくのを見るのも良いんですけど、過去の系譜が消えずに残っているのを見付けるのもオタクにはたまらんポイントなんですよね。
　あと初見時は気付かなかったんですが、この後の落ちサビに繋げる為にクリアにしているのかなと素人ながらに思いました。ハモリありクオリアがドーン！なパートが神々しい天使様の歌声とするならば、そうでない部分は大した力も無い人間そのものを表すような、そんな感覚。

低音厨大歓喜

 そしてこの落ちサビが今回の曲のどハマりポイントです。完璧にやられました。まさかこう来るとは思わなかった。

 ここ、Zepp版だと悲しみと弱さが強め、最後は高音でか細く震えて何かに縋るような声してました。それはそれでとても良かった。
　のですが今回。オク下。低く深く、感情は控えめに、俯いて独白するような声。最後の一節は諦観が混じったかのような、口ずさむような微かに震えた音とバカ強い高音の叫びが重なるの、うーん天才。
　力無く背を丸めて目を閉ざす人間の社長と、全力で悲鳴を上げるかのように天へ向かって吼える天使の社長が背中合わせになってる構図が見える見える。
　もうね、初見時にうぼぁー！！って声無き声上げて悶えて震えてましたマジで。おまっ、そんな、そんな声、また聞いたこと無いじゃんかよ……！　まだ隠し弾あるんかよ……！という衝撃と動揺が止まりませんでしたとも。Zepp版とはまた違った「無力感」の表現がすげぇ。

 実はというか度々言ってるんですけども私、低音厨でして社長の低い声大好き。
　一番好きな歌枠どれって訊かれたら一頻り悩んだ後に荒み歌枠って答えるぐらいには好き（次点：酔ってたセッション）。
　これまでの社長の低音はご存知の通り主にロック方面でして、程よい「ざらつき」と荒み、気怠げ、しかしそこに秘めた熱、みたいなのがありました。ですが最近はどちらかというと中〜高音域の声を使っていて、そういう方向性でいきたいのかな、それもそれで好きだわーとか思ってました。
　そこに来てのこれ。飢えてた所に降ったご馳走。たまんねぇ以外言えますかっての。
　でもこれまでの低音と違う、というのもひしひしと感じました。もっと低温（誤字ではない）なのに音自体には膨らみがあって、何だこれは。でもすげぇ。

 そんなことを思ってたら、雑談枠でビリー・アイリッシュ（Billie Eilish）をイメージしたとの情報が出ました。
　当然初耳（※筆者は音楽にとても疎い）ので成程女性なんか〜ぐらいの気持ちでとりあえず聞いてみたんですよ。試しに皆さんも聞いてみてくださいよ。（公式Youtubeチャンネル）
　…………全っ然社長とタイプちげぇ！！
　でも同時に理解した。力を抜きながらも音の厚みがある、確かに社長も「これが世界か」って言うのも分かる、洋楽知らなくても凄いと分かる人だ。（ついでに言うと数年前にバイク屋行った時にめっちゃ流れててその時もこの人すげーなーと思ってた。うろ覚えだけど。まさかこんな形で巡り会うとは……）
　そして確かに今回社長が「寄せたな」というのが分かる。良いものを知って自分の作品に取り入れるって作者として成長するオーソドックスなやり方ではあれど、既に歌い方のバリエーションめっちゃ多いのにまだ手札増やしますかという驚嘆。向上心パネェなとやっすい語彙で思ったりしてました。そういう所が！好きだ！！！

 そしてラスサビ。もう盛り上がりが凄い。クライマックス！感がとても気持ち良い。
「貴方を撒いた」の後ろで降ってるの……やっぱり灰……でいいんだよな……？　「晴れの日」が「ハレの日」である可能性もワンチャン考えていたのですがここは素直に前者と見て良さげ（実は視認出来てないんですが「れ」は見えているので多分漢字でしょう）。意味的にも多分そう。
「魂に空けた」は以前よりも力強く、それでいて華奢さもあって何かこう、良い。手術を経てか練習を重ねてか、クオリティアップした感覚があります。Zepp版の若干掠れた声もその後のシャウトとのギャップあって良いんだけどな！　もう全部良いわ！

 最後の最後、ここの英語パートもライブでは何言ってるか分からなかったんですけど今回まぁ度肝抜いたよね。
　だって「これは貴方の呪い」ですよ。最初causeと間違えてて「これは貴方の所為」なんて粋だねぇと思ってたらそれどころではなかった。重い重いと言ってはいたが想像の3倍ぐらい重かった。それ程までに「貴方」の空けた穴は大きく深いものだったのかと頭ぶん殴られた気分でした。

 そして「Pierced to my Heart」。ハートはご存知の通り、心や心臓、ひいては核心などを示すのですが、「愛情」を指す場合もあると今回調べて知りまして。そこに、風穴空けたと。わぁお。
　前回の妄想でこれ程までに愛する人を既に失っているとすればそれはガチ恋やカプ厨にしてみれば逆に好都合かもしれないとか書いたんですけれども、「もう他の誰も愛せない（かつての人を超えることは出来ない）」的なイメージが更に膨らむんでねぇか……？と今震えてます。
　それを全力のシャウトで伝えて来る。とは言え今回はZepp版と比べて感情控えめと言いますか、冷徹かつ有無を言わせぬ力がある印象。
　Zepp版の声がそれこそ貴方の所為だと訴える悲痛なものだとすれば、今回は語り部が変えようの無い顛末を告げるかのような、正に不可逆でもうどうしようも無いのだと幕を引く、そんな感覚を受けました。

 愛と喪失と罪。この重さをこの文字数でそれを伝えて来るのか、という点でちょっと畏怖します。自分は見ての通り、短く話をまとめられないので。やっぱ歌詞上手いよこの人。
　そして声のみならず、相変わらず音が良い。楽器隊の皆様もレコーディング・MIX担当の方もすんばらしい。技量を具体的に褒められない知識不足を許してほしい。本当に全部気持ち良い。皆様が頑張ったというのはマジでそうなんだろうと思う。
　回数を重ねての公開なのに毎回新発見があるの本当に助かるし楽しい。今回も届いたらいいなと思いつつ、スタンディングオベーションしてます。

加賀美ハヤトを歌った曲ではない……という本音と建前

 社長がライブ後に言っていた通り、この曲の主人公は加賀美ハヤトではないです。
　今回の振り返り雑談でもそのことは明言されてまして、「そんなに深く考えなくとも」とか言ってます。
　知ってる！　でもそれはそれ！

 直後に社長が言ってる通り、「でもちょっとだけ、一部分でも、もしかしたら社長と重なっている所があったとしたら？　基本的には妄想だけど、どこかしら当たっていたら？」と思うのが考察の楽しみではないかと思うところ。
　やってることはほぼ二次創作に近くて、ある事象の前後にソースとなるもの（或いはそう見えるもの・そうこじつけられるもの）を発見して「こういうことかうおおお！」となるのが、半分二次元であるVtuberの楽しみ方ではなかろうかと個人的には考えています。

「こういう可能性もあるよなぁ」とまじまじ眺めてみる、その行為が楽しくて愛おしいのであって、実際にそうであるかは割とどうでもいい……と言っちゃうと語弊があるかもしれないのですが、どちらでもいい。当たっていたら盛り上がるし、そうでなくてもそうだったのかと再度驚嘆するし、答え合わせがされないことを前提としているから明言されなくていい。
　少なくとも私のライバーの見方はそういう感じです。故に妄想ツイートばっかりなんだすまんな！

 社長は基本的に嘘はつかないけど真実を黙ってることは割とあると思ってまして。
「ここは言わない方が面白いか」ってのは結構日常的にやってるのかなと思ってたんですけど、今回の一連の流れをどう見るか。そういう発想が無かったから一旦は否定しようとしたのか、そういう発想があるから最終的に「あるかもしれませんね！」に至ったのか。
　まぁ人間なんてその時のノリで行動指針が決まったりするので厳密には言えないんですけど、「加賀美ハヤトはどんな人？　どこが好き？」をつい考えてしまう身にとっては大変興味深いものでした。

 あと社長が何と言おうが、これらの言葉が社長から出て来たのは事実なので。
　冒頭の「えっちじゃん」が象徴的なのですが、「加賀美ハヤトがこの歌詞を書いた」というのは考察の一助にはなるなと思っています。
　深くは言わないけど。うんうん大丈夫分かってる分かってると後方腕組み古参オタク面するの楽しいよね（実際は言う程古参ではない気がするけど）。

余談：関係あるか無いか怪しいけど「蛇」について

 天使社長の持ってるマイク。ショート版だと見えにくかったんでこれ蛇巻き付いてる？と気になってました。
　フル版で見た時に巻き付いてはいるが蛇ではなさそう（2:55辺りが分かりやすい）と思ったんですが、一応メモとして。

 蛇が1匹巻き付いている杖といえば「アスクレピオスの杖」。ギリシャ神話の名医・アスクレピオスはその腕前で死者をも蘇らせるも、その所為で神の怒りを買ってゼウスの雷霆で殺されてしまうという、今回の曲と重ねるとOh……となるやつ。
　ただマイクに巻き付いてるのは二重なので、「ケリュケイオン（カドゥケウス）」の方がビジュアル的には近いですね。こちらはギリシャ神話の神々の伝令・ヘルメスの持ち物で商業・交通・商取引（交渉）のシンボルです。こっちも代表取締役たる社長にぴったりな上に、死者を蘇らせる力を持つともされ、うーん皮肉！と思ったり。
　しかしケリュケイオンの上部は本来鳥の翼であるのですがマイクだと社長の天使の輪になっているので、これらを下地とした独自意匠なのかなと思ってます。

 蛇そのもののイメージで言えば恐怖（畏怖）と興奮。そして脱皮をすることから死と再生のイメージであったり、古代では高貴な物という傾向もあります。
　ゲームで言えば「竜のなりそこない（＝偉大なるものへ到達出来なかったもの）」であったり、社長が大好きな某兄さんが蛇柄を身に纏ってたりと気付けば身近なモチーフ。どうでもいいですが「へびんちゅ」って呼び名めっちゃ好きでした。

 天使や原罪からのイメージで言えばご存知アダムとイブを唆した楽園追放の蛇が連想されるところ。この蛇、所謂サタンであったとされており、元々は神に仕えてた堕天使です。
　善悪の知識の実を食した、つまり「知ってしまった」ことによる悲劇を踏まえて歌詞を読み直すとおお〜となるかもしれません。誰が蛇なのか、という思考のとっかかりが出来るのもまた一興。
　なお自分はWITHINまで連鎖して、ああ確かにこれは原罪だわと思ったりもしました。
　知とはそれこそ不可逆だから、知らないままでいた方が良いこともある。啓かないで導かないでというのもまた正しいのだという実感がここで来るかとちょっと感動。

 あと言語学的な論証は無いとされているものの、鏡の語源がカカメ（古語で言う「蛇の目」）説もあるらしいですよ。
　ここから導き出される重ね合わせを言葉遊びと見るか、トレモロムーンで提示されたモチーフと見るかはあなた次第です。なんちゃって。
　こういう、本人に対する考察とするには薄いけれど雑学めいた知識やら連想やらも楽しいものですよね。こうやってオタク君は無駄知識が増えていくんだ。

終わりに

 こんな文章を長々と書いている内にSMC組2周年が来てしまいました。
　社長は最初の誕生日に自身を5年保証、10年保証の商品だと言ってくれたので私としては大して心配もしていなかったのですが、ここ暫くの周囲環境を踏まえたらまぁ不安が皆無かと言われたらそうでない。怯える気持ちも分かる。
　でもそんな中で社長は信頼に足る人なのだ、どうしようもない時は笑おうとする人なのだと改めて実感しました。来年まで予定あるとか楽しみしかないじゃん。
　どんな大企業だって先がどうなるか分からないしどんな人間だって明日車に轢かれて死ぬかもしれないから、もし本当にどうしてもダメだった時は保証を切ってくれたって何ら問題は無いのだけれども、そうならないように全力を尽くす社長をこれからも応援したいなと思います。

 同時に、同じく頑張って来た葉加瀬さん・夜見さんと共に3人で2周年が迎えられたことがとても嬉しい。
　案件やゲームに出たりメジャーデビューしたりとそれぞれの道を歩みつつ、各々のことを気にかけていて、いざ集まればわちゃわちゃに楽しむSMC組が好きなので、今日のコラボも大変楽しみにしてます。やっぱりすめしと言ったらマリオよな。
　そして満を持してのVirtual to Liveですよ。Zepp福岡では高音足りてる！をやった社長が今回どっちに振って来るのか楽しみなのですが、まぁ間違いなくパワフルなんで、女子2名と上手いこと重なったのかどうなのかも含めて期待してます。みんなのファンアートを入れたMVとか絶対エモいやつだしね。

 この胸に大穴を空けたのは社長だけれども、それを埋めるのも社長達。あらゆる色の、あらゆる形状と質感の幸福をこれでもかと詰め込まれる毎日をただ嬉しく思います。
　全ての関係者様へ感謝と賞賛を。そしてどうか末長く、皆様も幸せでありますように。
　そう願いながらまた動画をリピートしてきます。ありがとう。

2021/07/03　夕星